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面倒くさがり屋の異世界転生  作者: 自由人
第1章 異世界転生
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第11話 私、万・能・説!

 あくる日、王城から使者が訪問して国王様からの出頭命令が伝えられた。何となく予想はつくが、多分お披露目会の事だろう。


 あの場にいて対処できたのは、母さんぐらいなものだからな。何やら褒美云々言ってたし。


 別人が嘘をついて名乗り上げてくれればいいものを、そういう事はなかったらしい。


 証拠を見せろと言われて、嘘でしたとなったら極刑になるのだそうだ。“不敬罪”というものに当たるらしい。そこら辺のことはマイケルに聞いたら教えてくれた。


 かと言って名乗り出るのも面倒だしどうしたものか? 何か逃げ切れる方法はないものだろうか。


 そんなことを考えてリビングで寛いでいると、母さんがやってきた。


「ケビン、どうしたの? 浮かない顔して」


「いえ、王城に出向くとか面倒くさいなぁと思いまして」


「王城に出向くとしても、お母さんだけよ? ケビンはここにいて構わないわ」


「もし、行かれるとして報告するのですか?」


「そんなことするわけないじゃない。可愛い我が子を晒すことはしないわ。知らぬ存ぜぬで通すつもりよ。最悪、行かなくてもいいのだし」


「行かなくていいのですか? 国王様からの命令なのに?」


「大丈夫よ。いくら国王でも私を敵に回したくないでしょうし」


 母さん、どんだけだよ。国王が敵に回したくないって最強じゃないか。


「でも、母さんが行かなくて悪者になるのは嫌です」


「ふふっ。私の事を心配してくれるの? ケビンは優しいわね」


 そう言って、相変わらず俺を膝の上に乗せる。なんかもう、定ポジションになりつつあるな。一体幾つまでされるのだろうか? 大人になってもされたら恥ずかしいぞ。


「ケビンが心配するから、ちょっと王城まで行ってみるわ。知らないって報告すれば終わるのだし、それでいいかしら?ケビン」


「分かったよ。母さんの帰りを待ってるね」


 その後、母さんはマイケルを従者に王城へと向かった。その間は暇になるので、今回のことを踏まえてスキル製作に当たろうかと思う。


『サナ、今の俺の状態で【無詠唱】は作れるか?』


『私がサポートすれば可能ですね』


『じゃあ、作るとするよ。イメージしながら……【創造】。よし、終わりだ。いつもながら思うんだけど、代償ってどうなってるの? 俺のMPじゃ足りないんだよな? 魔力も低いし』


『足らない魔力は私が補佐をして、足らないMPは空気中の魔素を掻き集めてMPに補填しています』


『空気中の魔素で支払ってるのか? ぶっちゃけ何でも作れるんじゃね?』


『その通りですよ。()()()がいればの話ですが。ここに来てまさかの“私、()()()!”』


『自分で言ってりゃ世話ないな。【無詠唱】も手に入ったことだし、次は【魔力隠蔽】だな。これは【隠蔽】スキルじゃダメなのか?』


『別に【隠蔽】を使ってもいいですが、毎回指定しないといけませんよ。ぶっちゃけ面倒くさいですよ』


『そこは、サナがやってくれればいいんじゃないのか?』


『嫌ですよ。面倒くさい』


『お前さっき“私、万能説!”って熱く語ってたじゃないか! その気概は何処へいった!』


『燃えそうにないゴミの日に捨てました』


『……えぇぇ』


 切り替え早ぇーな、おい。サポナビの癖して自由過ぎるぞ、こいつ。ソフィは何でこんなやつを作ったんだ? 失敗作か?


『ふふっ。あなたは今、“何でこんなやつを作ったのか”、“失敗作か”とお考えになりましたね』


「――!!」


『何故、わかった?』


『お答えしましょう……それこそが“私、()()()!”』


『いや、お前さっき“燃えそうにないゴミの日に捨てた”って言ってたろ!!』


『……過去に囚われない女。それが、私』


『もう、どうでもいいや。とりあえず、思いついたのどんどん作っていくから、サポートしてくれ』


『仕方ないわね。別にあなたの為にやるんじゃないんだからね。勘違いしないでよ』


 次はツンデレかよ……どんだけ引き出し持ってるんだよ。


 スキルに関しては、ソフィが言ってたものも作るか。あっても困らないものだしな。


『えーと、【無限収納】【体力増大】【魔力増大】【気配探知】【気配隠蔽】【魔力探知】【魔力隠蔽】【睡眠耐性】【毒耐性】【麻痺耐性】【石化耐性】【魅了耐性】【呪い耐性】【即死耐性】【鑑定】【偽装看破】【隠蔽看破】【千里眼】ぐらいだな』


『作り過ぎですよ! どんだけ作るんですか!? しかも、こんだけあったらステータス見にくいし、俺TUEEEEでもしたいんですか!?』


『備えあれば憂いなしって言うだろ? 因みに俺TUEEEEは、基本しない。色々と面倒くさいし』


『ちょっと多過ぎるのでスキル統合の許可を』


『何だそれ?』


『似たような種類のスキルを併せて、上位互換へと進化させるんですよ。その際は、代償としてLv.1からのスタートになりますが』


『構わん、やってくれ。自分で作っといて言うのもなんだが、見づらいのは面倒くさい』


『了解。【気配探知】【魔力探知】を統合して、【完全探知 Lv.1】を新たに獲得。【気配隠蔽】【魔力隠蔽】を統合して、【生命隠蔽 Lv.1】を新たに獲得。【病気耐性】【睡眠耐性】【毒耐性】【麻痺耐性】【石化耐性】【魅了耐性】【呪い耐性】【即死耐性】を統合して、【状態異常耐性 Lv.1】を新たに獲得。【鑑定】【偽装看破】【隠蔽看破】を統合して、【完全鑑定】を新たに獲得。以上となります。ご清聴ありがとうございました』


『いや、なんかもう……色々とすまん。調子こいて作りすぎた』


『あなたにも、謙虚な姿勢というものが存在したのですね。新しい発見です』


『“私、万能説!”を実感出来た。やっぱりサナは凄いよ』


『それ程でもぉ……あるかな』


 とりあえず大変な作業だったのは理解出来たし、煽ててれば次のときもやってくれるだろう。あとは、現状のスキルでも確認するかな。


『ステータス、スキル』




スキル

【言語理解】【創造】【センス】

【隠蔽】【偽装】【千里眼】

【完全鑑定】【無限収納】【無詠唱】

【剣術適性】【魔法適性】

【体力増大】【魔力増大】【剣術 Lv.3】

【身体強化 Lv.3】【属性強化 Lv.4】

【完全探知 Lv.1】【生命隠蔽 Lv.1】

【状態異常耐性 Lv.1】【魔力操作 Lv.EX】




 中々のもんだな……スキル統合はやってもらって助かった。やらなかったら、さぞ見づらかったんだろうな。


 しばらくは、スキルのレベル上げに専念でもするか。


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