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だいにわ ちょうろうのだいりにん

アライグマくんは先頭をずんずんと進みます。

やがて現れたのは大きな木。この森の長老の木と言われるものでした。


「こんにちわ〜。長老さ〜ん」

「誰かいませんか〜」


実はみんな長老を見たことがありません。

それもそのはずです。長老は老いたフクロウで夜にしか現れないのです。


「お留守かしら?」


とリスさんが言うと、ワサワサと大きな羽ばたく音が聞こえてきました。

クマくんは驚いて、キツネくんの後ろに頭を低くして隠れました。


「かっかっかっか。ワシが長老さまだい」


と言って現れたのは嘘つきカラスでした。


「長老さまなの?」

「いや……代わり」


「本当? 信用できない」

「何でも知ってるさ。さぁ、聞いてみなよ。おいしい巻貝のいる沼かい? それともミミズが良く出る時間?」


クマくんと、コマドリさんは恐ろしい化け物の話をしました。


「ば、化け物……」


カラスもゴクリを息を飲みます。


「知ってる?」

「そ、そりゃぁ知ってるさ」


ウソでした。みんなの手前いばって知っているフリをしただけなのです。

しかし、その後の言葉が出てきません。


「どんな化け物なんですか?」

「そ、それは……」


みんな不安そうな顔をしています。カラスはどうにでもなれと


「魔王の復活さ!」


とウソを言いました。

復活も何も、昔いたことすら知りません。みんなやいやいと質問しました。


「どこにいるの?」

「なんていう名前?」

「魔王ってなに?」


カラスは自分でついたウソをどうまとめようか必死に考えました。


「魔王はこの森の中にいる。大きな目でボクたちを監視してるんだ。そして一人一人食べられて行ってしまう」


クマくんはますます怖がって茂みの中に頭をつっこみました。


「でも安心してくれたまえ! 魔王は勇者に倒される」


みんな、勇者に倒されるのだとホッとしました。


「勇者はどこにいるの?」


またまた、自分がついたウソがカラスを苦しめます。


「それはそのぉ……。そうだ。キミ達だ! 一人一人の力は小さくても、力を合わせればきっと魔王を倒せるぞ!」


そう言いながら翼を広げました。


「では、この辺で。ボクは忙しいので」


そう言って行ってしまいました。

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