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だいいちわ こわがりクマくん

「うひゃー。ブルブルブル」


クマくんは大きな木のうろの家の中で毛布を頭までかぶって震えました。

どこか遠くから大きな声が聞こえてくるのです。

今まで聞いたこともない声でした。


「ばばば、化け物だぁ〜!」


クマくんは体が大きい割りには怖がりで、少しの物音でもビクビクしてしまいます。

そのために物音がしない、この大きな木のうろを家にしたのに近所に化け物が住んでいたなんて。

クマくんは、ほとほと困りました。


浅い眠りのまま早起きして、友だちが集まる森の広場に急ぎました。

そんな滑稽な姿をみて木の上で笑っていたのは歌が上手なコマドリさんでした。


「うふふ。クマくんたら何をそんなに急いでいるの?」

「ああ、コマドリさん。化け物だよ。化け物がでたんだ」


「……なんですって?」


平和な森に化け物。コマドリさんもキレイな羽で体を包み込んで震えました。


「どんな? どんな化け物なの?」

「声が大きいんだ。“うわー!”とか“ぐわー!”って夜叫ぶんだよ。きっと背は僕より高くて、二本の長い角が生えていて、毛むくじゃらの怪物だ!」


「まぁ! こわい!」


二人は急いで広場にいくと、まだ誰も来ていません。

しばらくすると、眠い目をこすりながらお友達たちがのっそりと現れました。


暴れん坊のアライグマくん。お人好しのキツネくん。食いしん坊のヘビくん。いたずら好きのリスさん。


クマくんとコマドリさんは息を切らしながら化け物の話をしました。


「出たんだ!」

「大声の!」

「ぐわーとか、うわーって」

「目はこんなに大きいの!」

「毛むくじゃらで」

「きっとみんな食べられちゃう!」

「山のような怪物だ!」


みんなは何がなんだかわかりません。でも恐ろしいものが森の中にいることはわかりました。


リスさんはバカにしたように大笑い。


「クックックック。そんなの聞いたことない。オバケなんていないのよ?」


そういいながらお腹を抱えて転げ回りました。

コマドリさんとクマくんもたしかに聞いたことがありませんでしたが、そう笑われてムッとしました。

そこで、ヘビくんの提案です。


「何でも知ってる森の長老に話を聞きに行こう」


みんなは大きくうなずきました。

アライグマくんは出しゃばって


「じゃぁ、この部隊の隊長はオレで良いよな」


と胸を張りました。別にどうでもいいことですが、ウンと言わないと暴れるかもしれません。みんなは小さくうなずきました。

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