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はじめてのドライブ

作者: 安達邦夫


4.

男が僕の頭にグリグリ銃口を押し付け、その痛さに、僕は涙目になりながら、必死に運転に集中しようとしていた。

バシッ!

鋭い音がした。まるで物がひしゃげるような音。すると、頭に押けられていた痛みがフッと消えたのだ。僕は、恐る恐るバックミラーを覗き混むと、男が座席に寄りかかるように、まるで眠っているように口を半開きにしていた。

ふと見ると、彼女も眠っている。すると、

ふぁー!

と、彼女がいかにも目覚めたというように、両腕をあげて、伸びをした。口をアワアワと押さえている。

そして、僕と目を合わせて、前方に向かって指を指した。

あれ、あれ、というふうに……。

いつの間にか、高速の標識が見えてきた。

碓氷軽井沢インターだ。

目的地だった。彼女が言った。

「ちょっと停めて!」

えっ⁉僕は、素直に車を高速の他の車に邪魔にならないところに寄せて停めた。

すると、彼女は、車から降りると、後部座席に回り、しばらく様子をみていたが、ゆっくりドアをあけると、男を外に放り出したのである。

バタン!

彼女は乗り込むなり言った。

「はいっ!行きましょう!」彼女は、元気いっぱい満面の笑みを浮かべていた。


その後3ヶ月後、僕たちは、めでたくゴールインした。

身近な人だけのささやかな結婚式は、軽井沢にある教会で行われたのである。僕は、彼女の純白のウェデングドレスに見とれた。

彼女は、きっと家庭を守ってくれることだろう。

あの拳銃男を……したのだから。


終り


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