【アフターストーリー】虎・虎・虎!(3)
「さて、どこに行こうか。秋景くん」
隣に並んで立つと、彼女のスタイルの良さが際立って見える。
顔は小さいし、足は長いし、いったい何頭身あるんだ。
しかし、改まってデートっとかちゃんとしたことないし……どうすれば。
う〜ん……寅虎の喜びそうなところか。
「スポンチとか?」
断っておくが、別にギリギリ卑猥なセリフを攻めた訳ではない。
スポーツ&アミューズメント・チア、略してスポンチだ。
ラフレシアと行ったこともある、スポーツゲーセンだ。
「ほぅ。私が格闘ゲーム好きだと知っていたのか?」
「まぁ〜武芸の達人だしな。スポーツも好きなんだろうし」
ちなみに、前にラフレシアがゲームで対戦した相手が、寅虎だったことは言えない。
あの時、俺とラフレシアは声もかけずに逃げたのだ。
「確かにそうなのだが……」
少し考えるような素振りを見せる。
そうしていると、冷静で頭のいいお姉さんに見えるのだから不思議だ。
「違うところがいい?」
寅虎がこくりと頷く。
「今日は、普通の女として接してみたいのだ」
「普通の……うぅん。情けない話さ、俺……デートとかマトモにしたことないから、ロマンティックな場所とか知らないんだよな」
「あぁ、そうか。まだこの……現実世界を良く知らないということだな?」
「察してくれるの助かるよ。何か検索してみるか」
しかし寅虎は首を横に振り、それには及ばないと手で制す。
「行きたいところがあるのだ。私一人では行きずらいのでな、いい機会だ」
「あぁ、そうなの? じゃあ、そこに行こうぜ」
そこが何処なのか知らないが、寅虎が行きたいというのなら都合がいい。
俺は寅虎に腕を組まれると、そのまま上の階層へと連れて行かれたのだ。




