【サイドストーリー】鈴屋さんとダメージ・リングっ!(3)
「乙女の敵めーーッス!」
「俺は無実だーっ!」
俺はコマのように回転しながらリーンの棍をかわし、そのまま距離を詰めて鉄籠手にダガーを打ち付ける。
次の瞬間リーンの鉄籠手は、あえなく砕け散った。
「まだまだッス!」
今度はリーンが、俺の脇腹めがけて蹴りを放ってくる。
騎士らしからぬ足技だが、これもきっと牽制だ。
本命は、棍の突き攻撃!
「月白の騎士団直伝、飛龍閃!」
特殊な奥義技か!
しかし、呑気に技の特性を判別する時間はない。
俺は上半身を守るようにダガーを交差させ、とにかく距離をとろうと後ろに飛ぶ。
「派生・追撃!」
言葉と同時にリーンの棍の先が大きくしなり、ありえない角度で曲がりながら俺を追ってくる。
それはまるで飛龍のように、鋭く速い動きだった。
「うぉぉぉぉ!」
不自然極まりない軌道で追ってくる棍に、恐怖すら覚えてしまう。
おそらくこれは、必中の技だ。
理屈ではなく、そう感じた。
ならば俺にとって最善の選択は、捨て身のカウンターしかない。
俺は防御をとき、交差させていたダガーを振り落とす。
棍が激しく胸を打ちつけてくるが、関係ない。
そのままダガーを、リーンの鉄靴めがけて投げつける。
相打ちオッケーの攻撃で、俺は見事にリーンの鉄靴を破壊した。
そして、この場には……
鉄兜だけを装備した赤いビキニの女戦士と、赤いマフラーだけを装備した裸(下着姿)の忍者が棒立ちしていた……
「おい、ビキニアーマー」
「なんスか、裸忍者」
なんてことだ。
こんな所で『伝説』にして『往年』の、『ビキニアーマー』と『裸忍者』が揃ってしまった。
ポリコレの規制に苦しめられたゲームマニアが見たら、大喜びだぞ、これ。
「もうやめないか?」
「やめないッス。まだ残ってるッス」
「頭狙っちゃ駄目なんだろ?」
「駄目ッス」
「ビキニ狙うしかないぞ?」
「こっちは、パンツ狙うッス」
まじか、こいつ。
こいつ、まじか。
「やるんだな?」
「くどいッス。素手で決着つけるッス」
リーンには悪いが、俺にだって尊厳がある。
容赦なく、躊躇なく、速攻でやってやる。
シメオネ師匠仕込みの技を喰らうがいい。
俺は激闘の決着へ向けて、格闘の構えに入るのだ。
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