七支刀選抜試験(21)
なかなか忙しくて書けずです。
ものすごい短いですが、どうぞ。
「五連撃だと。そんな技、聞いたことがねぇぞ……」
斬鉄が目を大きく見開いて驚いている。
いや、斬鉄だけではない。
もう一人の長髪の剣士も、未知の技に対する警戒からか刀に手をかけて構えに入った。
「当然だ。この技は某にとって、虎の子とも呼べる奥の手だからな」
刀華は自信に満ちた視線を返す。
奥の手、まさに隠していた技だ。
ちらりと水雲凛の様子をうかがう。
表情は変えていない。
まぁ刀華は俺の師匠なわけだし、使えて当然だとでも思っているのだろう。
スーズーは……すっごい真面目な顔をしている。
つまりこれは公式の目から見ても、異例の事態ってことだ。
かく言う俺も、驚きを隠せない。
数え五斬は『 THE FULLMOON STORY 』にある上級職、ニンジャのスキルだ。
実際は七夢さんが『NPCは上級職につけない』ように改変していたから、俺しか使えない技となっていた。
ハチ子は結果的にプレイヤー=アウトサイダーだったから、習得できたのだろう。
おそらくは無意識で、アサシンからニンジャにクラスチェンジしたのだ。
「彼の人から学んだ技は、これだけではない。流派剣術を封じたところで、某の強さは曇りはせぬ」
彼の人。
そいつだ。
そいつは間違いなく、アウトサイダーだ。
いや……
使えないという点においては、ここ斑鳩でも同じはずである。
ならなぜ、刀華は習得できた?
刀華もアウトサイダー?
そんなことが、あり得るのか?
そもそもだ。
ここにはない技を、白昼堂々使って大丈夫なんだろうか。
監視プログラムとかに引っかからないのか?
あとあと面倒なことにならなければいいんだが……この場合、俺はどうすればいい?
「何なら二人同時にくればいい」
刀華が切先を斬鉄に向けて、くるくると円を描いて挑発をする。




