閑話特別編「鈴屋さんとラジオ的なナニカ ー第四十一回ー」
イラストはもちろん、ロジーヌさんです
麻宮 七夢(以後:麻)「ここは本編とは関係ないラジオみたいな何か、通称ラジナニです。ここでは本編では語られない知られざる裏話や、本編では触れられなかった話をしていきたいと思います」
鈴屋 彩羽(以後:鈴)「七夢さん、急に丁寧」
アルフィー・ラフレシア(以後:ラ)「あれダロ? 実は中身が年増の……」
麻「誰が年増よ?」
鈴「もどった」
ラ「大人の女タイム短かったナ」
麻「うっさいわね。収録は私の自宅でやってま〜す♪」
ラ「めちゃくちゃ高層階だし、めちゃくちゃ広いし。結構な金持ち階級なんだな」
麻「そうよ。こうみえて、私えらいの」
ラ「小泉乱歩は逆タマにのったんだな」
麻「む……彼はそういうのではありません」
ラ「そんな君が可憐で……(キリッ)」
鈴「好きだよ(キリッ)」
麻「ぎゃぁぁ、やめて、ほんとにやめてっ! と、とにかく、こっちの世界にもどって来てからの初のラジナニなります!」
ラ「でも三人しかいないゾ。これぢゃ、ただの女子会だ」
麻「まぁ、そんなノリでいいのよ。紅茶入れてくるから待ってなさい」
麻宮七夢、退室。
ラ「アキカゲとハッチィはヌイグルミなのか。なんか悲しいな」
鈴「一応、遠隔で呼び出せるらしいよ。その時は、このヌイグルミがしゃべるんだって」
ラ「そういうとこ無駄に凝るよな、アイツ」
鈴「今日は初日だから、三人で話すんだって」
ラ「やっぱり女子会ぢゃないか」
麻宮七夢、入室。
麻「まぁまぁ、知られざる裏話=秋景君抜きの恋バナでもあるわけで……はい、どーぞ」
ラ「紅茶とか上流階級カヨ」
鈴「七夢さんは上流階級だよ?」
ラ「ケッ! で、議題は何ダヨ? オレは忙しいんだ」
麻「じゃあ、あなたの議題からいきましょ。議題はアバターでの倫理観について、よ」
ラ「アバター? オレの倫理観?」
麻「あんたさ、鈴ちゃんに襲われるたびに言ってたけど……仮想世界でなら裸を見られようが、体触られようが平気なんでしょ?」
ラ「そりゃそうだよ。『アルフィー』は、ただのゲーム内のキャラだからナ」
麻「じゃあ、そのキャラでそれ以上のこと……例えば、倫理コードに引っかかるような行為をされても平気なの?」
ラ「仮想世界でエッチなことをされるってことか? それは視覚的にも、体感的にも嫌ダナ。でも、相手がアキカゲなら平気だ」
麻「じゃあ、こっちの世界で秋景君に、そういった行為を求められたら?」
ラ「こっちだと、ちょっと恥ずかしい……カモ」
鈴「それ、よくわかんない。私はアッチでもコッチでも、同じ感覚。どっちの世界でも、同じくらいの恥ずかしさに感じるよ」
麻「私も、鈴ちゃんと同じよ。仮想も現実も、体験という意味では同質だと考えてる。アバターだから平気ってことはないのよ」
ラ「まぁ確かに、あーちゃんと五右衛門風呂に入ってた時、アバターなのになぜか急に恥ずかしくなってきたケド……」
麻「はい。じゃあ、もうひとつ。この世界には、倫理コードを解除した『大人のダイブワールド』が非公式ながらあるのだけど、そこで自分の恋人が異性のアバターとそういった行為に及んだとして、それは浮気になるのかしら?」
ラ「相手はプレイヤーだろ? じゃあ〜浮気ダナ」
鈴「中身が人間なんだから、完全に浮気だと思う」
麻「じゃあ、相手が『泡沫の夢』みたいなAIならどう?」
ラ「それは浮気じゃないな。何なら、生身のAVを見るより健全だ」
鈴「浮気……じゃないけど、なんか嫌かなぁ」
ラ「いや、中身はAIだぞ? エロゲやってるようなもんダロ?」
鈴「そうだけど、あの世界の五感は現実世界と変わらないんだもん」
ラ「じゃあ、現実世界の遊郭にAIサイボーグがいたとして、それとするのも許せないのか?」
鈴「嫌だよ。ちょっと軽蔑しそう……」
ラ「相手はタダの人形だぞ?」
鈴「嫌……というか、私でいいじゃんって思うんですけど」
ラ「まぁ、それを言ったらそうなんだが」
麻「そこまでいくと、少し話が違って『ロボット倫理学』になってくるんだけど。このダイブシステムの倫理問題については、今でも物議を醸しているわ。特に『泡沫の夢』のような『高度なAI』については、人権の有無も関わってきてるの」
鈴「個人の見解で大きく分かれてくるところだから、難しいよね。私は、ある程度守るための権利が必要だと思う」
麻「もっと話を簡単にしてみましょ。秋景君が今、最果ての斑鳩で『泡沫の夢』と混浴に入ってるとします。単純にどう?」
ラ「やっぱり平気だな。エロ動画みてるようなもんダロ。男なんだからしょうがないね」
鈴「嫌〜」
麻「その娘と恋愛ごっこしてたら、どう?」
ラ「相手は現実世界に存在しないんだから、問題ないナ。ギャルゲーみたいなもんダロ。ただ、ちゃんと現実を一番大事にしているなら、という条件はアルけどな」
鈴「絶対に嫌っ!」
麻「やっぱりバラバラなのねぇ」
鈴「七夢さんはどうなの?」
麻「あら、うちの彼氏は私に夢中だからぁ♪」
ラ「なんてズルい回答ナンだ」
麻「そういえば、鈴ちゃんはどうして、ラフレシアにベタベタしてるの?」
ラ「そうだ、それ! お前、距離感がバグってるゾ!」
鈴「だって、初めての女友達なんだもん」
ラ「初めてって、んなわけネーダロ!」
鈴「本当だよ。小さい時はずっと、あーにぃと遊んでたし……デブリ事件後は家から一歩も出なくなったし……そのまま長期ダイブしたし……」
麻「そういえば、そうだったわね」
ラ「だとしても、バグってるだろ。なんで平気なんダヨ!」
鈴「女の子同士なんだから、別にいーじゃん」
麻「あんたもしかして、女の子同士なら抵抗なくキスとかできるタイプ?」
鈴「できるよ?」
ラ「ヒィィィィ……我ハ今、トテツモナイ身ノ危険ヲカンジテイル」
鈴「え、だって女の子同士だし」
麻「あんたそれ、性別逆転して想像してみなさいよ。鈴ちゃんを秋景君、ラフレシアを乱歩にしてさ。秋景君が顔を赤くした乱歩に、後ろから抱きついて組んずほぐれつするのよ?」
鈴「なんか……悪くないかもしんない(じゅるり)」
麻「えっ……いや…………たしかに最高ね……え、待って……最高すぎる……うへへ(じゅるり)」
ラ「オマエラ、ヘンタイダゾ……」
【おまけ4コマ】
1
2
3
4




