ー転移門決戦編ー 戦局の悪化
「【カーディナルヘルヘイム】
《死にぞこないの救済機関》・・・」
ようやく長い回想を話し終えた老人を
油断なく視界の端にとらえながら
レオが考え込むようにポツリと呟いた
「まぁ、こんな所にわしがいるのも
《あやつ》に言われたからなんじゃが・・・
・・・おっ」
「?」
老人まだ何か続けて言おうとしたとき
どういうわけか老人の言葉が不意に途切れた
「・・・そろそろじゃの
ふぅ、疲れたわい」
何かに気づいたような仕草をしたあと
訳もわからない意味深な言葉を言うと
老人は気が抜けたように脱力した
「どういうこーーー」
「今日は楽しかったぞ小僧」
レオが困惑した顔で
老人に向かって問いただそうと声を出すと
そんなレオにかぶせるように
老人は言って嬉しそうにニヤリと微笑んだ
ズボッ!!
その直後老人を拘束する
【ゲオルグ】のすぐ傍の地面から
丸太のような太く屈強な白い右腕が現れた
「ーーーッッッ!!????」
突然の出来事に思わず
体を硬直させて身構えたレオだったが
すぐに頭を切り替えて
地面から現れた右腕に向かって
老人を拘束している【ゲオルグ】の一部を使い
即座に攻撃を仕掛ける
【ゲオルグ】をまるで針のように変化させて
現れた腕に向かって何本も高速で突き刺す
「あ~それには攻撃せん方が・・・」
老人がレオの行動になにか口出ししていたが
それを言い終えるより早く
【ゲオルグ】が白い腕を刺し貫いた
そして白い腕に貫通させた【ゲオルグ】を
今度は縄のように形状変化させて
腕をがんじがらめに縛りあげ
地面に縫いとめる
「いったい何がーーーーーうっ!!」
意外にもあっさりと
白い腕の拘束に成功したことで
レオが腕のことを老人に問いただそうとしたとき
突然レオの全体をとてつもない倦怠感が襲った
ソフィーの【フィルグラ】のように
力で押さえつけられているというより
全身の力という力が各部に巡る魔力ごと
根こそぎどんどん弱まっていく感じだ
全身の神経が鈍り始め
立つことはおろかまぶたを開け続けるのも
苦痛に感じ始めて眠気まで襲いかかっている
「う、あぁ・・・」
なんとか口を開けようとするが
レオの口からは空気が漏れるような
か細い声しか出ない
【ゲオルグ】を操作するための
集中力もとっくに途切れていた
そしてあっけなく・・・
ーーーレオの意識が闇に沈む




