ー転移門決戦編ー 悲しき上下関係
「あなたたちが勝手に私についてくればいい」
そのセレスの言葉を受けて数分後・・・
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「準備はいいか?」
ゴーレムの一撃で吹き飛んでできた平地と
まだ木々が生い茂る森との境界線に
渋い顔をしたエドガーが腕を組んで立っていた
当然その隣には
エドガーの後輩であるザックもいる
「はぁ・・・
なんでエドガーさんが大人しく
セレス室長の命令に従ってるのか
不思議でならないんすけど・・・」
そのザックは
心底嫌そうな顔と声で
自分の隣に立つエドガーに問いかける
「なぜかって・・・
それはさっきも言っただろう?
セレス室長が俺達よりも
強い権力を持っているからだ・・・
もし、力ずくで言うことを聞かせようものなら
セレス室長にあることないこと報告されて
俺達はもう国にはいられなくなるぞ」
「マジっすか・・・」
こんなことを言われて
ザックはげんなりとした顔で
その場にしゃがみ込む
「あ~あ、あの駐屯地での
平和な日々が遠い過去のようっす・・・」
「こんなことになるんだったら
もっと今朝の可憐な少女と
親睦を深めておけばよかったな・・・」
「エドガーさん・・・
その件は後でじっ~~くりと
話し合う必要があるっすね」
「?」
そうやって二人が
ダラダラとしゃべっていると・・・
「こっちの準備はできた・・・
今から《ゴーレム捕縛作戦》開始」
二人の背後の木陰から
セレスがひょっこりと顔を出した
「えぇ~~~
やっぱり別の作戦にしませんか?」
「ガタガタ言うなザック・・・
お前も話にのった時点で
こうなることは分かっていただろう?」
「確かにそうっすけど・・・」
「分かってるなら
覚悟を決めてさっさと行くぞ!!」
「あっ!俺をおいて行かないでくださいよ!!」
そしてセレスの合図とともに
エドガーはある方向に向かって
全速力で走り出した
その速度は人間の限界を軽く超えており
エドガーの踏み込んだ足が深々と地面をえぐる
ザックも平然と同じ速度で
エドガーの後を追って走り出すが・・・
「けど、これだけは言いたいっす・・・」
エドガーにピッタリと併走しながら
ザックは恨みを込めて叫んだ
「さすがに俺達に対する
扱いが酷くないっすか!?」
二人の騎士は全速力で突進する・・・
平地にたたずむ
巨大な白いゴーレムに向かって・・・




