迫りくる驚異【四天王】ー京子サイドー
「魔族ってこんなのだっけ?
ドラゴンとか期待してたのに
・・・なんか思ってたのと違う」
「ちょっと京子!!
お願いだから静かにしてて!!」
「でも・・・」
私は今、魔族達の本拠地にある
《ダリルトート》と呼ばれている建物の中にいる
ファムちゃんの屋敷から
近くの森の中に隠されていた
小さな《転移門》で私はこの建物にやってきた
ここにいる魔族のみんなは
シェリーさんとメアちゃんの怪我の様子を見ると
慌てて二人を治療室に案内して
残された私とファムちゃんは
奥のこの部屋に案内された
なにやらここでは大陸奪還作戦とか
避難してきた魔族達の生活について
《四天王》の人達が話し合う場所みたい
・・・国会議事堂みたいな場所なのかな?
部屋の中にはもう
他の四天王らしき人達が揃っていて
ファムちゃんと私は挨拶もそこそこに
早速屋敷で何があったのか聞かれた
しばらくしてファムちゃんが
屋敷で騎士に襲撃されたことを
《四天王》の人達に丁寧に話し終えると
他の四天王の人達が何か真剣な様子で話し始めた
・・・のはいいんだけど
私はこの部屋に来てから
ずっと疑問に思っていたことがあった
「どうしたの京子?
気分でも悪いの?」
「ねぇファムちゃん・・・
ちょっと聞いてもいい?」
「どうしたのよ?」
私の様子がおかしいことが心配なのか
ファムちゃんが私の方に顔を向けてくれる
「ここにいるのはファムちゃん達
・・・つまり魔族達のベスト4なんだよね?
四天王って言われてるぐらいだし」
「ええ、そうよ」
ファムちゃんは
さも当然みたいに言ってるけど
私達の目の前で話し合っているのは・・・
三毛猫 と
黒髪縦ロールお嬢さま と
半裸の男 だった
「吾輩達もいい加減動くべきである!!」
目の前に座っている三毛猫が
ダンディーな声と古臭い口調でしゃべる
ネコ耳があるとか
人っぽいフォルムとか
体長が3メートルある化け猫じゃなくて
三毛猫そのものだった
「ファム達が襲われたのだぞ!?」
怒っているのか
プニプニの肉球で机をテシテシと叩く
・・・可愛い
「え~と、キョウコちゃんだっけ?
君の仲間が騎士に連れ去られたってのは
本当なんだよね?」
「・・・えっ!
は、はい!!」
三毛猫の方に気を持っていかれてた私に
今度は半裸の男が話しかけてきた
こっちの人は
もう完全に見た目だけなら露出狂だった・・・
床まで届く長い紫色の髪の毛を
ポニーテールみたいな感じに九本にまとめて
爽やかな笑顔を私に向けてくる
しかも無駄に
キラキラしたオーラを放っているから
余計に変態に見える
「緊張しなくてもいいんだよ?
・・やっぱり仲間が連れ去られて不安だよね」
何を勘違いしたのか
私の様子を見て半裸の男は
私に妙に優しく話しかけてくる
「あ、えっと・・・」
「あ、あれ?
キョウコちゃんは不安じゃないの?」
私の反応が意外だったのか
半裸の男の人が首をかしげる
「まぁ、優君は何があっても
私のところに帰ってきますし・・・」
「・・・?」
「慣れてますから・・・」
優君はちっちゃな頃からあの見た目だから
変な人に絡まれやすくて
いつも騒動の中心には優君がいた
昔も今もそんな優君が
心配で心配でたまらないけど・・・
そんな不安な気持ちでいっぱいの私のところに
優君はいつもふらっと帰ってきて
『心配かけたな、京子』
そう言って苦笑しながら毎回私に謝ってくれた
だから今回も大丈夫だという謎の自信があった
また優君は私のところに帰ってきてくれる
「それは素敵な絆だね・・・」
「いえ、そんなにいい物じゃないですよ?」
「でも、それで君の仲間のことを後回しにするほど
僕たち《四天王》も薄情じゃない」
半裸の男のその言葉に
ファムを含めた《四天王》全員が
首を縦に振る
「今、僕たちがすべきなのは
現状の把握だ・・・
危険だとは思うけど
騎士達と接触を図った方がいい」
「そうですわね・・・」
半裸の男が意見を言うと
今まで静かに紅茶を飲んでた縦ロールが
紅茶のカップを置いて話し始める
豪華な黒色のドレスを着て
そのドレスと反発するような
シミ一つない真っ白な肌が
目の前の美女の美しさを
さらに際立たせている
紅茶を飲む姿はまるで一枚の絵画のようだ
「確かに、人間側に何があったのか
知ることは重要ですが
あの日、騎士達が魔界に来て以来
人間側と通話ができなくなっていますわ。
うかつに騎士達に近づくのは
リスクが高すぎるのではなくって?
もし何かの間違いで戦闘になってしまったら
私達も動かざるをえませんわよ」
「その事なら吾輩に考えがある」
縦ロールの意見を聞いて
今度は三毛猫が話し始める
「要するに騎士達に見つからず
なおかつ見つかったとしても
騎士と対等に戦うことのできる
能力がある精鋭を送ればいいのであろう?」
「そんな優秀な魔族なんていたかな・・・?」
三毛猫の言葉に
半裸の男と縦ロールも首をかしげる
「それがいるのである・・・
まぁ、二人組なのだが
そやつらならきっと何か
有力な情報を手に入れて戻ってくるはずである」
そう言って三毛猫は私の方を見ると
ダンディーな声で豪快に笑い出した
「安心せい、小娘!!
貴様の仲間のことは
この誇り高き四天王のひとり
《神獣》ミケ・ケットシーに任せるのである!!」
・・・名は体を表す
そんなことわざを思い浮かべながら
私は三毛猫を眺めていた
【転移門の周囲に集まる戦士達】
転移門を守る王国第四騎士団所属
《騎士》レオ・ハート
駐屯地にいる最高権力者(?)
《医療室・室長》セレス・シュタイン
戦場に誘われた街の子ども達
イッくん・ムッちゃん・リカ
ミケランジェロの送り出す精鋭
? と ?
子ども達を操った謎の老人
?
・・・・・・戦いが始まる




