三人の審議
「【カムイ】が俺の体をすり抜けている?」
「・・・ナニ?」
俺の声を聞いた刃物人間が
俺を押しのけて水晶玉の映像をのぞき込む
「ほら先輩、ここですよ、ここ」
映像をのぞき込む刃物人間に
殺人ナースがその箇所を指さす
「確カニ・・・」
映像の中では
【カムイ】の刃が俺の体を貫通していた
俺の体を貫通しているように映っているが
よく見るとそこからは血が一滴も出ていない
実際の俺の腹部の傷も
貫通まではしていなかった
つまりこの映像が本当なら
【カムイ】の刃の大半が
俺の体をすり抜けているということになる
「ドウナッテイルンダ?」
刃物人間が映像を見て首をかしげる
「ハイ!!ハイハ~イ!!
メイは何でか分かるよ!!」
三人で映像をのぞき込んで
首をかしげていると
後ろで吊り下げられていた
メイが大声で話しかけてきた
「本当でしょうね?ご主人様」
「本当!!本当!!
教えてあげるから早く下ろしてよ~」
「・・・」
メイの言葉を信じたのか
それとも吊り下げられて
ぶらぶらしているメイが
さすがに可哀想になったのかは分からないが
とりあえず殺人ナースは縄をほどいて
メイを下ろしてあげた
「ふぅ~
やっと自由になれた~」
「どうしてなのか教えていただけますか?」
「・・・コホン」
下ろしてもらったメイは
のびをして関節をポキポキと鳴らしながら
殺人ナースに催促される
するとメイは一呼吸入れた後で
楽しそうにしゃべりだした
「さぁ!!
お待ちかねの解説タイ~~~ム!!!!!」




