腹黒メイ
「無事カァァァ!!!!!」
乱入してきた刃物人間は
俺を無視してとんでもないスピードで
メイのところへ突進していった
「うおっっっ!?」
そのあまりのスピードに
部屋の中の空気がかき乱されて
俺が一人でひっくり返っている横で
刃物人間はメイの両肩を掴んで抱きしめて
頭をよしよしと優しく撫でている
「うぅぅ、ぐすっ
怖かったよぉぉぉ・・・」
メイはついに泣き出して
刃物人間の胸に涙でぐちゃぐちゃになった顔を
グリグリと押しつけている
「ドウシタンダ?」
玄関にいたときとは似ても似つかない
聖母のような顔で
ぐすぐすと胸元で泣き続けているメイに
優しく問いかける
ニヤリ
ゾクッと俺の背筋が凍る
今、メイが俺の方を見て笑ったような・・・
そんなことを考えていると
メイが元の潤んだ瞳のまま
ゆっくりと刃物人間を見上げた
「?」
メイに見上げられた刃物人間は
相変わらず聖母のような顔で
メイを見つめている
「あいつに・・・襲われそうになって・・・
メイは何も悪いこと・・グスッ、・・・
してないのに・・・」
そう言いながら
メイは人差し指で俺を指さす
「は、はぁぁぁーーーーー!?」
メイの指さした方を見ようと
刃物人間がゆっくりと振り返る
その先には当然俺がいて・・・
「マタ貴様カァァァ!!!!!」
「誤解だ!!!!!」




