主人公の魔力
「3000?」
表示された数字が
何なのか分からない俺は首をかしげる
すると俺の隣でギルバートが
青い顔でセレスに問いかける
「機械の故障って可能性は?」
「ない」
「そうか・・・」
セレスの力強い否定で
ギルバートの顔に落胆の色が見える
ソフィーもモニターを見たまま
固まってしまっている
「なぁ、この数字は何なんだ?」
ギルバート達の反応を見て
不安になった俺はセレスに向かって聞く
だがギルバートはセレスが答える前に
俺の肩に手を置いて優しく笑いかけてくる
「安心しろ、魔族共に何をされたか知らんが
お前の体をちゃんと元に戻してやるからな・・・
ソフィー!!コイツを城まで連れて行くぞ!!」
「分かったわギルバート!!
さぁ、行くわよ!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
いきなり二人に連れて行かれそうになった俺は
反射的にベットにしがみつく
いきなり二人が掴みかかってきたので
反射的に拒否してしまう
「どうしたの?」
俺が二人に引きずり出されそうになっていると
やっとセレスが俺に話しかけてくれた
「なぁ、この数字は何なんだ?」
「知らないの?」
「あぁ、教えてくれ」
「これは魔力保有量を数値化したもの」
「魔力保有量?」
またファンタジーな言葉が出てきた
この世界がそういうところなのは
理解しているがやっぱり聞き慣れない
「あなたの魔力保有量は低すぎる
普通は少なくとも二万はある」
「二万か・・・
少ないと何かあるのか?」
「死ぬ」
「えっ!?」
いきなりの物騒な言葉に
セレスの説明を大人しく聞いていた俺は
固まってしまう
「そうよ!
だから早く来なさい!
あなたには一刻の猶予もないのよ!!」
ソフィーもベットの横で
俺を説得する
確かに普通は最低でも二万はあるらしい
魔力保有量が三千しかなかったら
慌てるのも当然だ
だが・・・
特に俺の体に異常はない
さっき屋敷でソフィーの腕輪を破壊したときの
額の傷が痛むぐらいで
他には傷らしい傷もない
そんな危険な状態にあるなんて
信じられない
俺が一人で首をかしげていると
なかなかベットから降りない俺に
イライラしたのかギルバートが詰め寄ってくる
「自分がどんな状況にあるか
分かってんのか!?
早く行くぞ!」
そういうとギルバートは俺の首根っこを掴むと
無理矢理ベットから引きずり下ろし
部屋の外まで引きずっていく
「ギルバート」
そんなギルバートにセレスが声をかける
「城に連れて行っていいの?
その男は魔族のところにいたのに」
その言葉にギルバートは
ゆっくり振り返って言う
「知るか、相手が誰であれ
人間を助けるのが
俺達《騎士団》の役目だ」
そう言ってまたギルバートは歩き始める
「お前も城に戻った方がいいぞ
この馬鹿が魔族に喧嘩売ったからな
そろそろ魔族共が仕返しにくるかもしれん」
セレスの隣でソフィーが顔をしかめながら
ギルバートの後を追う
「もう、そんな言い方しなくても
いいじゃない」
「・・・行くぞ」
ギルバートに廊下まで
引きずり出された俺は不意に思う
「この世界に来てから
引きずられてばっかりだな・・・」




