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最強の堕勇者は異世界人  作者: 犬も歩けば猿に当たる
異世界召喚
2/2

異世界召喚2

 なんか騒がしいな?

 目を開けてみると壁と天井が石で作られた部屋でたくさんの人に囲まれていた。

 そこにいた人達はどこかの宗教団体のように紫色のローブを着ている。


「成功じゃ! 成功したぞい!」

 サンタクロースみたいな白い髭を生やした60歳ぐらいだと思われるおじいさんが声を上げるとワァー!と歓声に包まれた。


「長年の研究が遂に実ったのじゃ!」

「これで王も喜ばれる!」

「早速報告に行ってきます!」


 さらに騒がしくなった為か他のクラスメイト達も目を覚まし始めた。


「おはよう……って優くん?!」

 鎌月さんは俺の顔を見て驚く。俺の顔を見て驚かれるのはなんかショック。


「鳴神、ここがどこか分かるか?」

 どうやら健も目が覚めたみたいだ。


「いや、全く分からん。でももう直ぐあの人達が説明してくれるだろう」


 と考えたその時だ。背後にある扉がバンッと音をあげ開いた。扉から入ってきたのは少し太っているおっさんと銀色の甲冑を着て腰に剣を提げている20歳ぐらいだと思われる男が入ってきた。


「王よまず名前を名乗るとよろしいかと」

 

  「うむ。儂はナギア王国の王『ブラッド・アイドー』である。そして儂の右にいる男が」

「ナギア王国親衛騎士隊隊長『カゲツ』だ」


 カゲツさんは王の一歩前に踏み出し俺たちを見つめる。


「どうやらお困りのようですのでこの国の情勢について説明しますね」


 カゲツはナギア王国の状勢について説明し始めた。


「まずこの世界は魔王と呼ばれる者の侵略によって人族は劣勢に陥っている。この元凶を討伐すべく今まで何人者暗殺者を送り込んだのだが誰一人帰ってくることはなかった。多分殺されたんだろう。そこでナギア王国は現状を打開する為の方法を考え始めた。そこにある研究者達が王国に話を持ちかけてきた。なんでも勇者召喚について研究していたらしい。そこで我が王国は勇者召喚の研究を進め一年が経とうとした時、遂に君達を召喚する事に成功した。この国の状勢はこんなところだ。質問ある奴はいないか?」


 俺たちがザワザワしだす中予想通りの人物が手を挙げた。


「僕達は元の世界に戻る事は出来るのですか?」


 手を挙げたのはサラサラの茶髪にイケメン顔しているクラスの学級委員長『早川(ハヤカワ) 光輝(コウキ)』だ。俺たちのクラスを纏めている人でもある。頭は良くスポーツもでき性格もいい。悪い所を探す方が大変な完璧な超人である。


「それはすまんが分からん……魔王なら何か知っているかもしれんな」


 魔王なら知っている……か。魔王が知っているとは思わないけどな。深く考えすぎかもしれないが俺らを何か別の事に利用しようとしてるかもしれないな。まあ魔王がいるのは他の人の表情から見るに本当みたいだが。


 ふと辺りがザワザワしている事に気がついた。どうやら帰れないって事への文句を言っているみたいだ。


「ふざけんな!」

「早く返してよ!」

「よっしゃ〜! 異世界きた〜!」


 みんなが元の世界に帰りたいと思っているらしい。ごく一部に異世界に来た事に喜んでいる生徒もいるが……クラスの端っこの方にいたオタクの奴等だろう。

 ザワザワしてる中ある一人の声が響いた。


「とりあえずみんな静かに! 今は現状を知る方が大事だろう」


 早川の言葉により静寂に包まれる。どうやら早川の言葉により落ち着き始めたようだ。


「次に勇者召喚って事は闘うということですよね? 僕達にそんな力はないはずなんですが……」


「いや、勇者召喚できた異世界人には我が王国の神ナギア様よりギフトが授けられるらしい。ステータスオープンの念じてみろ。ステータスの詳細が見えるぞ。そしてスキルの隣に書いてある数字がスキルレベルだ。10が最高のレベルだぞ。スキルレベルは使うことによってあげられる。因みにステータスは許可しない限り他人に見られることはない。と言っても鑑定のスキル持ちがいたら別だがな……」


 辺りを見渡すと何もないところをジッと見てる生徒が数人いる。どうやらステータスを見ているのだろう。俺も念じてみる


(ステータスオープン)



  ◆ステータス◆


  名前 : ユウ・ナルカミ

  人族 男性 16歳 レベル1


  職業 : 勇者

  ライフ : 100/100

  マナ : 50/50


  腕力 : 10

  魔力 : 10

  敏捷 : 20

  耐久 : 5


  スキル:

  アイテムボックス 1

 



 このステータスっていい方なのか?ステータスを見ながらウンウン唸っていると健が話しかけてきた。



「優、ステータス話しかけてどうだった? 因みに俺はこんな感じだったが」

 健は俺にステータス表を見せてくる。見せようという意志があれば見せられるようだな。

 健から見せられたステータスを見て愕然とする。

 

  ◆ステータス◆


  名前 : ケン・サンジョウ

  人族 男性 16歳 レベル1


  職業 : 勇者

  ライフ : 250/250

  マナ : 300/300


  腕力 : 50

  魔力 : 90

  敏捷 : 40

  耐久 : 30


  スキル:

  セーブ&ロード 1

  天翔 1

  火属性魔法 1

  弓道 1



 なんで俺とこんなにステータス違うんですかい? 流石に差別じゃないですか?


「俺はお前と比べると全然悪いから。見せるほどのものでもない」

 俺の雰囲気を見て何かを感じたのか健はそれ以上追求してこなかった。


 そんな中、早川の方から驚きの声が上がる


「おぉ! この者こそ真の勇者だろう!」

 早川のステータスを覗いてみると……



  ◆ステータス◆


  名前 : コウキ・ハヤカワ

  人族 男性 17歳 レベル1


  職業 : 勇者

  ライフ : 500/500

  マナ : 670/670


  腕力 : 90

  魔力 : 120

  敏捷 : 70

  耐久 : 60


  スキル:

  三千世界 1

  聖剣 1

  鑑定 1

  光魔法 1

  カリスマ 3

 


 はは……ははは……なんだよこの差は……


「それじゃ今からステータスを一人ずつ確認していくから彼の前に並んでくれ」


 カゲツさんの隣から水晶玉と羽ペンを持った紫色のローブを着た男が現れた。その男は用意された椅子に座り机に水晶玉を置いた。隣には何処から持ってきたかは分からないが紙を持ったカゲツさんが座る。今更気づいたがその後ろにブラッド王が座っていた。


「では次にそこの方ーー」


  次々と名前が呼ばれ鎌月さんの番になった。


「こ、これは!」


 鎌月さんのステータスを見てカゲツさんが驚く。


 

 ◆ステータス◆


  名前 : ユウナ・カマヅキ

  人族 女性 16歳 レベル1


  職業 : 勇者

  ライフ : 200/200

  マナ : 1200/1200


  腕力 : 20

  魔力 : 190

  敏捷 : 20

  耐久 : 15


  スキル:

  回復魔法 1

  支援魔法 1

  神聖魔法 1




 ぐはっ……! なんだよ! なぜこうも俺はステータスが低いんだ! てか魔法関係なら早川よりステータスが高い!


 他のクラスメイトの確認が終わり俺の番になった。


 カゲツさんは俺のステータスをみると顔をしかめる。その時俺をバカにする声がかけられた。


  「こいつのステータス弱すぎだぞ!」


 振り返ってみると『高橋(タカハシ) 靖友(ヤスト)』が俺を見て卑しい笑みで笑っていた。


 その高橋のステータスだが


  ◆ステータス◆


  名前 : ヤスト・タカハシ

  人族 男性 17歳 レベル1


  職業 : 勇者

  ライフ : 260/260

  マナ : 90/90


  腕力 : 30

  魔力 : 20

  敏捷 : 40

  耐久 : 30


  スキル:

  火魔法 1

  剣術 1



 このクラスの平均より少し高いステータスだった。


 高橋だが鎌月さんに三ヶ月ほど前に告白し玉砕した。それ以来鎌月さんといつもいるからか(俺から望んでいるわけではない)影から俺にちょっかいを出してきていた。


「なるほど。一般市民と同じくらいのステータスだな。鍛錬すればステータスは上がるから頑張るのだな」

 カゲツさんは高橋を見て少し嫌そうな顔をしながら俺の事を励ましてくれた。


 クラス中がステータスについて話し合っていと


「ウォホン。それでは聞こう。君達は我々を手伝ってくれるかね?」

 カゲツさんは咳払いして俺たちに手伝うか手伝わないかの判断を委ねてきた。しかし俺たちは何も話し合いをして……


「やりましょう! みんな困っている人がいるのに助けないなんて選択肢はないよね?」


 言うと思ったよ……正義感が強い早川が見捨てるなんていう選択をするはずがない。そしてクラスのリーダー的存在の早川がやるといえば……


「流石早川! なら俺たちも手伝うぜ!」

「早川君がやるなら私もやる!」

「ハーレム作ってやるぜ! ヒャッハー!」


 とみんなやる気になった。最後の一人の言葉に女子は引いていたが。


「ありがとう! そうと決まればセシリー案内してやれ!」


 カゲツさんが女性の方の名前を呼ぶと扉から綺麗な金色の髪をしたツインテールのメイドさんが入ってきた。


「私の名前はセシリーです。それでは皆様、各自の部屋に案内させていただきますね。」

 

 俺たちはセシリーさんの後を集団でついて行くことになった。

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