04実は聖女の資格を持っているからこれでも聖女だ
散りばめた過去を思い出していると態度は番にあった顔つきはしていたが、全く言葉は伴ってなかったな。ぬかったとも言える。
「あんな見せかけに騙されてしまったのは、名折れ」
「あの、少しよろしいでしょうか?」
「はい?はい。構いませんよ」
フレージュはなにを聞きたいのかと思いながら、首を捻り相手の言葉を待つ。
「先程の連絡系統の魔法らしきものは?」
「説明しても意味がわかるかどうか?特許登録したのですがまだ解明されてないのですよ」
使えないと聞かされて、がっかりする二人。
「落ち込まないでください。将来的には証明されて使えるようになると思いますよ」
母の言葉が合っているのならば、録音されているということになる。そちらの方が気になるな。
二人の反応よりも母との会話の最中にあった会話もあり、あの男の頭のおかしい話もあるってこと。かなり有力な証拠になる。
「あの、私が彼から言われた恋人が居るとか、ここまで連れてきたのは親に連れてきてと言われたという発言があるかもしれないので、内容のものを取ってきていいですか?」
「え」
「え?そんなことがありえるのですか?」
二人は何を言っているのかと首を揃えて動かす。シンクロだ。
「え、あの、なにを言っておられるのか」
録音機能の概念がないからね。仕方ないことと、優しさに満ちた顔でウンと頷く。追加で実家にも一旦戻ると伝えると証拠を集めますと言われる。
内情を探るらしい。オプションなのでつけてもらうことにした。
「帰られて大丈夫ですか?」
「ツガイの男に来られません?」
「遠いので時差がありますし、自衛できます」
「そうですか」
「気をつけてください」
「彼の両親は厳格な人らしく、真面目だとか言ってました。本当かどうか怪しくなってきたのですが」
フレージュは例えばの可能性を口にする。魔法を駆使して長距離を直ぐに行けるのでいつでも実家に行けるから、余計なことも探りやすくなる。
彼らは遠いのに大変ですねと声をかけてくるけれど、平気なので大丈夫。ツガイの男がクズだからといって、もう容赦はしない。
クズだからこそ、二度と顔を見せないようにしたい。未来永劫顔を見たくないな。番として利用するのは、誰の発案なのだろうか。
色々考えていると彼らがこちらをジッと見るので、なんでしょう?と問いかける。そんなに見る理由はあるにせよ客商売を心得ている二人はとっても見てきて困る。
「あの、不躾かもしれませんが、聖女の適性がおありですか?」
「ライセンスは持ってますよ」
フレージュの国では、ある程度の試験と力が認められれば聖女として登録されて、等級によりお店で安く買えたりなにかと手厚い。
この国の人たちはその制度に詳しくないみたいで、触れられたことはない。聖女ではあるけど抑えているので知識面で三級に留まっていた。
あんまり高い級まで上がると国外に行く時の手続きとか、出国の許可が遅くなったり護衛がついてきたりと、なにかしらのデメリットがあるのだ。
「聖女にライセンスですか?」
「はい。探せばそこそこいるので。私はその中でちょっと下のランクですね」
「え、ランク?」
「この国では囲われるのですが、そちらは比較的に自由なのですね」
「この国でも同じ制度をすればすぐに聖女を名乗って、国が力を振るう自由を保証すれば、あっという間に聖女が溢れると思います」
うまく説明できないけど。頷くと二人は国が違うだけですごいな、と会話し合う。
「私はこの国にもう、永住しませんけどね」
「あ、そ、そうでした」
「く!ツガイの男のせいで!貴重な人材が……」
唸る二人を見てから、帰ることにした。実家にね。二人の弁護士に確認して帰宅のために外へ出た。出国のために町の外に出ると、転移の魔法を使って我が家に一瞬で戻る。
「ただいま〜」
「フレージュ!」
「フレージュ!平気だったか?」
言葉を唱えるとすぐに親二人がすっ飛んできて、ギュッと抱きしめられる。彼らの身体に包まれて、安心感で力が抜けた。
「大丈夫。長旅で疲れはしてるけど」
「ほんとにっ!娘に遠路はるばる、来させておいて、なにが恋人よ!」
母がいきどおる。どんな親でも怒るだろうな。やり方が卑怯だし。そうして親子の再会をしていると、さらに奥から懐かしい幼馴染の声が聞こえたのだから、目を思わず瞬いた。
「お帰り」
「なんでいるの?」
「おばさんから、緊急事態だって相談されて」
「お母さん?」
幼馴染にトラブルを告げるなんて。
「え?でも、マギノアくんも聖人としてなにか案を出してくれるかもしれないもの」
悪びれもしないでケロリと言う。気安いとはいえ、今回は番関連なのに。
「気にするな。お前の番を跡も残らず焼け野原にするプランくらいは考えてやるから」
「頼もしいなあ。ありがとう」
番相手にそんな風に言ってくれる相手に、笑みを浮かべた。男は幼馴染のマギノア。小さな頃から彼の両親夫婦と知り合いの母たちだったので、顔をよく合わせることもあってこうしてうちに通う。顔パス余裕だ。




