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【MOVIE1】バイト以外の稼ぐ方法

……ん?

なにやら聴き覚えのある声が耳に響いた。


「つかつうかさ結人、あの子、めっちゃ可愛いくね!?」

と柄が嬉しそうに騒ぐから、橋本環奈レベルを期待していいんだろうな。とか思いながら、顔を見上げ、その声の主を確認する。

桃色がかった髪の毛、パッツン前髪のボブ。間違いない。

気づけば俺は声をあげていた。


「お前は!」

「あー! なんであんたここにいるのよ!」

「こっちの台詞だ、バカ女!」


「ゴホン。静粛に。」

俺たちの会話は担任によって遮られた。

「「すいません……」」

俺と彼女は、ほぼ同時に謝罪した。

「ええっと、間切さん、間切さん……。あら良かったじゃない。仲良く話してた男の子の後ろの席よ。」

「な、なかよくなんかないですっ! ちょっと顔見知りってだけですから!」

バカ女改め、間切こももは俺の後ろの席へ座った。


「明日は始業式! 以上~解散!」

始業式か。……めんどいなぁ。

こっちはすぐにでも次のバイト先見つけないといけないのに。


――ちょんちょん

「ねぇ」

気づけば、後ろの間切に話しかけられていた。

「なんだ」

「どうなのよ」

「……は?」

「怪我の具合、どうなのよ」

……心配してくれるのか?

真衣くらいにしか心配されたことのない俺は、その言葉が素直に嬉しかった。

「平気だよ。まだ少し痛むけど、生活に支障が出るほどじゃない。」

「……そう。なら良かった。」

ホッと、息を溢しながら間切は微笑んだ。

うざいくらいが取り柄のやつと思ってたけど、こいつも笑えば可愛いじゃん。

「でも……。生活費がヤバいんだよな。ほら、俺のバイト先無くなったじゃん? だから新しいバイト探さないと。」

そう言うと……間切の笑顔が消えた。


「なんであんたはバイトなんて非効率的なことをしてんの?」

「毎日同じことの繰り返しで楽しい?」


前言撤回。

やっぱし、こいつうざいだけが取り柄のバカ女だわ。

……俺だってしたくてしてんじゃねえつーの。

「お前には関係ないだろ。」

「いいから、答えて。」

「るっせえな……」

イラついて思考停止した俺は言葉が見つからず、数秒の間ができた。

「……妹のためだよ。」

お前みたいに裕福そうで、育ち良さげなスーパー美少女(笑)さんにはわかんないだろうよ。

美少女自称しちまうくらいなんだから、さぞ甘やかされてきたんだろーな。

「やっぱりそうだったんだ……。」

間切はポツンと言った。

「……バイト以外に稼ぐ方法があるって言ったらどうする?」

「どうするかなんて、言われてからじゃないと分かんないだろ」

「それは言葉のあやでしょ、あんたはどーしたいか聞いてんの!」

……そんなの

「したいに決まってる! 教えろよ、その方法ってやつを!」

真衣のためなら、俺は……何だってやってやる。

「わかった、分かったから唾飛ばさないでくんない?」

「悪い。で、その方法―とやらはどんなんだ」


「ユーチューバーにならない?」


その言葉を聞いた時、俺の身体にイナズマの如き戦慄が走った。


作者PS.ラノベの新人賞に受かりたいンゴ

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