【MOVIE6】○Vデビューからの悲劇
【MOVIE6】
あれから一ヶ月ぐらいたって、今は6月下旬。
いつか録った『コーラメントス』動画はなんと……
現時点で、700万再生の超ヒットとなった。
この時点で察した人も居るだろうが、そのカラクリを言っとくと藍那のやつが「あの部分」をカットせずにアップしやがった。
勿論、自分(藍那の喘ぎ声)の部分はカットして。
だから、間切、真衣、キヌエの三人はネットの晒し者!って感じになるかと思ったんだが、そうならなかった。
そうならないカラクリがあった。
藍那が、編集で全員に仮面をつけて、覆面系ユーチューバーという設定になった。
その制約なら俺も出れるということで、俺もちょっとだけ出てる(性別が分からないように全身編集済みだけど)。
今まで散々非難されてきた俺だったが、仮面をつけたことで、ポジティブなコメントが来てビックリした。
天変地異が起きたのかと思って半信半疑ながらも、嬉しかった。
今日は超ヒット記念パーティとやらをするらしく、お呼ばれされた俺と真衣はあの巨大ビル、マーキュリーへ向かっている。
「パーティ楽しみです~」
「そいつは良かったな。」
……俺はちょっと不安だ。またこき使われそう。
「あっ! 家に忘れ物をしてしまいました~! 取りに帰らなければなのです~」
「忘れ物? 別に、持ち物とか無かった気がするぞ」
「にーにはバカなのですか?」
「えっ」
「……パーティ行くのに何も持ってかないってKYすぎません?」
KYなの!?
パーティとか行ったことねえからよくわかんねーや。
「真衣は何を持ってくつもりだったんだ?」
「パン耳のかき揚げドーナツです~」
…………。
「……あのさ、真衣。それはやめとこうぜ。」
パーティなんて行ったことない俺でも、それだけははっきり分かる。
「どうしてですか?」
キョトンと、俺を見つめる真衣。
「そういうのはさ、あいつらの口には合わないっていうかさ、たぶん反応とか後処理に困るっていうかさ。ドーナツなら、オン・デ・リングでも買ってこうぜ、な?」
「……にーには、どうしてそんなこと言うのですか」
「あいつらに拒絶されて、お前が傷つくとこなんか見たくないからだよ」
「……そんなことないのです。……拒絶何かされないです。……みんな、食べてくれるのです。」
下を向いてうつむく真衣。
真衣のこんな悲しそうな面、初めて見た。
けど、だったら尚更だよ。ここで俺が止めてやらなきゃ、もっと傷つくのは真衣だ。
「あー俺、真衣の作ったパン耳ドーナツすげえ食べたくなった! もう、腹いっぱい食いたい。」
「だから、真衣。みんなのとこには持ってくな! 俺が全部食べたいから!」
「……にーにはどうしてそんな白々しい嘘つくのですか」
ちっ、ここで諦めてくれるのが最善だったが……。
「これが嘘に聞こえるなら、もうやめとけ。パン耳持ってって、仮にあいつらが喜んでいるように見えても、これと同じことだ。」
「ないもん」
「真衣は、そんな嘘言われても嬉しくないだろ」
「……そんなことないもん」
<パシン>
真衣に思いっきし、ビンタされた。
「あーもう勝手にしろよ。先、行ってっからな。」
◇
マーキュリーのパーティールームに着くと、間切とキヌエが藍那に問答していた。
「「藍那! あの動画早くけして(けせ)!」」
「やーですよ、あの動画で喜んでくれる人だってたくさんいるんです」
「「あたし(うち)は○V女優じゃない! ユーチューバーなの!」」
……マーキュリーのパーティルームについてから4時間たった。
「真衣ちゃん、遅いですね」
「真衣はうちのそーるめいと! もうじき来る!」
「忘れ物って何取りに帰ったのよ。いくらなんでも遅すぎ。」
「……知るかよ。それよりキヌエ! デレジャンで協力プレイしようぜ!」
その時だった。
<ピロ>
俺のスマホが鳴る。知らない番号からの着信だった。
「はい、もしもし」
「こちら臨海病院のものですが……」
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あとがき
ワンポイント秘話
真衣「パン耳ドーナツは絶対美味しいのです」
結「たしかに、油の質を良いのにしてザラメを使うと美味いのは美味い」
「あの動画見たい」「藍那、動画に出るべき」「読者も編集参加して無編集で見たいです!!」
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