表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/32

【MOVIE4】紐付きメントス

<チーン>

振り返ると、藍那の乗っているエレベーターのドアが閉まった。

「おい! 」

エレベーターの一部分がパカッと開いて、藍那が顔を出した。

「これから結人くんにはここでバ…… いや、労働をしてもらいます。」

「……は? 置き手紙はどこいった?」

「だから、言ったじゃないですか。その通りだと。」

甘い話はあるわけ無いってことか。

「……騙したのか。俺を。」

「はい。」

……はいじゃねーよ。

「何をさせる気だ」

臓器売ったり、麻薬の密売するんじゃねえよな?

「簡単な軽作業ですよ。」

……軽作業?

「具体的には、何すんだ?」

「そこにダンボールありますよね? 開けて中見てください。」

後ろに振り返って、10数個あるダンボールの一つを開けると……


大量のメントスが入っていた。


「賞味期限切れの残飯処理でもさせる気か?」

「そうして貰っても構わないですが、たぶん無理ですよ。」

「その隣の箱も開けてください」

……また、大量のメントスが入っていた。

「ここにあるダンボール、全部メントスか」

「はい。」

「こんなの、どうしろっていうんだ?」

「あとはこれに書いてあるので、頑張ってください」

藍那が二つ折りの紙をエレベーターの隙間からピタッと投げ落とした。

「じゃ、終わったら迎えに来ますから」

……は?

「ふざけんな! 俺はまだやるなんて一言も言ってな――」

<チーン>

エレベーターが上へと動き出す。

最後に見た藍那は『計画通り』とでも言わんばかりの面をしていた。

「あの、外道……!」


俺は藍那が投げ落としていった二つ折りの紙を開いた。


【どうがきかくしょ】10ページ

紐付きメントスのつくりかた。


1 メントスの中心にキリで穴を開ける

2 開いた穴にタコ糸を通す

3 穴の隙間に接着剤を流し込む


これを約3cmの間隔で行う


……紐付きメントス?

こんなもん作って、何の動画撮るんだよ。

ダンボールの上に丁度キリとタコ糸があったので、試しにやってみたら『紐付きメントス』は意外と簡単に出来た。


……が。

正直、すぐ飽きた。

「こんなチマチマしたこと、いつまでもやってられっかよ。」

「俺はもう、こっから出る!」

――脱獄だ。

部屋を全面見渡したが、階段などは一切見当たらなかった。

俺は乗ってきたエレベーターに視線を戻す。

「やっぱし、こいつに乗るしかねーか。」

エレベータのボタンの上には透明なガラスが覆ってあって、その下には高そうな金属で出来た鍵穴があった。

「……こんなもん、ぶち開けてやるよ。」

俺は自分の財布から、傘の開閉スイッチを分解して作った鍵、通称『傘鍵』を取り出した。

その『傘鍵』を金属の鍵穴に差し込んだ。

……その瞬間。


<ブーブー>

物凄いサイレン音が響く。

エレベーターのボタンの上についてた赤ランプが点灯しだした。

「……やっべ」


『結人くん!? 何やったんですか!?』


部屋の天井にあったスピーカーからロリ声が大音量で流れた。

「セキュリティチェックしてやったんだよ」

『……はい? 何したのか知りませんけど、とっとと作業してくださいね』

どうしてそんな上からなんだよ。

「ざけんな、俺は家に帰んだ!」

『そんな権利あるわけ無いじゃないですか』

<プツン>

マイクが切れる音がした。

「は……。」

……真衣の夕飯どうしよ。

朝ごはんも……洗濯物だって溜まってる。

さっきの例から、脱獄は不可能。

地下だからスマホの電波入らないし、助けも呼べない。

もう……一択しか無いじゃんか。

「くっそ、メントスに負けてたまるか!」


(チマチマ)(以下略)

作者PS.大手YouTuberの方も企画書作らないことの方が多いらしいですね。あと、地下に監禁されるのはMAJOR海堂編のパクリです。藍那のロリ声設定すき。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ