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世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!  作者: 月見里ゆずる
9章

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 番組の人がうちに来て、父と一緒に受けた。

 主にあの人との生活や過去についてだ。

 

 いつも可愛くって、おしゃれだった。

 幼稚園の時や小学生の時は、いつも友達や同級生お母さんから褒められていて、自慢の親だと思っていた。


 でも、成長するにつれて、周りが母に対して妙に気を遣っている所や、どこかよそよそしい所に気づいた。


 男性教師の時の参観日はいつも、ヘソ出しや肩だしなど、目のやり場に困るような格好で着ていて、周りがひそひそしていること。


 保護者面談で彼女の有無をからかって、口説いていたこと。特に若い先生がターゲットだった。


 女性教師なら、結婚や子供の有無や夫の職業、年収でマウント取って、顰蹙を買っていたこと。


 娘である私を担任や他の先生に特別扱いするように迫っていたこと。

 断られたら、実家の呉松家の名前出したり、学校の役員であることをだしにして、脅していたこと。

 

 私の中学時代の担任が、あの人と同級生で、自分の彼氏がちょっかいかけられたこと、婚約者いる男性教師に手をだしてたこと。

 男性教師の件は祖母が後ろで煽って、家に個人的に呼んでいたのが発覚し、学年集会、保護者沙汰になったこと。


 足の悪い同級生にとって大切な杖を壊したり、窓から投げたりして、かなり揉めたこと。


 その同級生の娘さんは、私の同級生であり、部活の部長だった。


 見た目だけはいいので、一部の人(男子だけ)に人気あり、女子からは嫌われていた。


 あの人はちやほやしてもらったり、常にお姫様扱いされないと気が済まないので、自分が不利になると、いじめられっ子アピールして、祖母を呼んで、ことを大きくさせていた。

 家の名前だして頭を下げさせていた。

 その繰り返しで、学校では悪い意味での有名人として、名前が広まっていた。


 唯一の同性の友達が叔母で、祖母の"命令"でお世話係化していたので、あの人同様、腫れ物扱いされてきた。

 何かあっても、責任は叔母になっていることも多々あった。


 あの人の過去のことを知っている人達から、話が広まって、友達や部活のメンバー、同級生達の態度が変わった。

 距離を置かれるのから始まり、辛く当たられたり、理不尽な嫌がらせを受けた。


「親の因果は子に報いる」と正当化して。


 あの人にいじめられてると言ったところで「あんたが可愛くないからでしょ」と言われるのが関の山だ。


 日頃から家のことどころか、自分のことすら一切やらない人間だ。せいぜい、おしゃれするときと"友達"と遊ぶ時だけだ。

 かといって働く気はなし。女の子は働くの可哀想と本気で思ってる人間だ。


 だから、父との結婚は働かせないことを条件に出来た。


 その癖、父に対して給料が安いと私に愚痴って、散財していた。


 祖母からこっそりお金をもらうか、父の趣味の物を無断で売っていた。そのお金で祖母や叔母や"友達”とランチや買い物をしていた。

 料理も父、私、お手伝いさん達にさせて、自分はできあがりの部分だけ写真とってSNSにあげて、おしゃれな料理できるんですよアピールして、マウントとっていただけ。

 働かなくても、買い物やランチが出来ると自慢したいだけ。


 正直同級生のお母さんで働いている人がうらやましかった。

 いつもキビキビしていて、しっかりしているというか、常識があるというか、話題の幅が広いというか。


 あの人の話題は基本他人の悪口か、自分がいかに可愛くて、お姫様みたいな扱いされているかとか、男性にナンパされたとか、声かけられたとかモテ自慢とか、本当に自分のことしか話さない。


 いつも「世界一かわいくてごめん」とか「あんたはお父さんに似てつまらないね」と私にいう。


 いや、身内だろうが他所の人の前でも「娘は不細工でつまらない」と平気で言う。

 

 父と私があの人との生活を話していると、スタッフ達の顔つきがだんだん真顔になっていた。


 まるで、やっぱりそうかと言わんばかりに。


 あの人が再婚していたことは、風の噂で聞いていた。


 先に再婚相手の家にインタビューに行ったようで、そこでも、同じようなことが返ってきたとスタッフ達が言っていた。



 良くも悪くも変わってないのかと、安心したような、したくないような感情に駆られた。


 あの人は今でも私と父のことが忘れられず、会いたいと言っているらしい。


 スタッフから言われたとき思わず吹いてしまった。



 家族裏切るわ、人いじめてるわ、勝手に人のお金使ったり、趣味の物を売ってるような人を信用しろとか無理です。


 いい年して、自分のこと名前で呼ぶわ、世界一可愛いから何でもいうこと聞いてくれると思ってるんですかね?


 もう無理でしょ。見た目だけでちやほやしてくれる年でもないですし。


 中身もなーんにもないただの落ちぶれたオバさんですよ。


 私の一番の恥は、呉松結花の娘であること、その血が半分入っていること。


 昔、あの人の過去を知る人間達に、散々、お母さんに似てるがどうのこうのって言われてきました。


 あんな見栄と虚飾の権化の血が入ってるだけで嫌になります。


 後ろ指さされないように、私は私でやってきてるんです。


 これ以上、私の人生の邪魔をしないで欲しい。


 もし次に会うとしたら、老後か葬式でしょうかね。


 めいいっぱい大切にしますので。    


 一番の望みは、あの人が一生、因果応報で苦しんで生き続けることですね。


 あの人と過ごした十数年を思い出していくうちに、全身に血の気が巡り、気づいたら手汗がにじみ込んでいた。


 父は隣で言い過ぎだと言っていたが、私は無視して、これぐらいやらないと気が済まないと思った。


 父は父で、あの人の悪行を知らずに、盲目的になり、わがままや傲慢さに子供や周りの人を巻き込んだ。

 もし、あの人に何かあれば責任とる。それが世間様に迷惑かけない、被害者を増やさない方法だと言っていた。

 

 父の責任取るという言葉に思わず言葉を失った。


 後でどういうことかと聞くと、言葉通りだと。


 これ以上、関わらないで欲しいと思いつつも、どこかで、父に何か意図があるんじゃないかと期待している自分がいた。

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