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世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!  作者: 月見里ゆずる
9章

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9

高校に入ってから、父が趣味でやっている競技クイズをはじめた。

 父が卒業したとこで、親子2代入ったことになる。


 部員は6人。ほとんど男子で、私は紅一点こういってんだった。


 2年の時に、高校生クイズに出たけど、初っ端で負けて悔しかったのを今でも思い出す。


 最初は同級生から男目当てと揶揄やゆされてきた。

 確かにこの手の部活は男子が多いから、そう見られるのも分かっていた。


 私は男子目当てで入ったんじゃない。


 父に影響されて始めただけ。

 知らないことを知ることの楽しさ、緊張で手が震えながらも解答ボタンを押して、正解した時の嬉しさ。


 同じ部活のメンバー達は、みんな経験者ばかりだった。中学校の部活にはないので、ネットでそういうサークルを探してやってたそうだ。

 近隣のサークルとの繋がりがあって、入学したときには、顔見知り状態。


 完全に高校から始めましたという私にはアウェイな状態だった。

 足引っ張って申し訳ないと思ってたけど、そんなことはなかった。


 全然見下すことないし、メンバーが正解したら「ナイス!」とか「すごーい!」と盛り上げてくれるし、失敗しても「次いこ、次!」と、決して責めることはなかった。

 本当の初心者である私には、先輩、同級生、顧問達からルールの説明や用語、過去の高校生クイズの様子、問題の傾向、苦手ジャンルの課題など教えてくれた。

 

 そりゃもう手取り足取りという勢いだった。


 休み時でも、父と一緒に特訓して、1年の終わりぐらいから、小さな大会に出れるようになった。

 他校はやっぱり強かったけど、女子の出場者が本当に少なかった。

 近隣の学校でも1人いるかいないかレベル。


 顧問曰く「女子は昔っから少ないから、本人が目立つ気がなくても、嫌でも名前が知れ渡る。もちろん、依田さんも。過去にうちにいた女子部員が変なやつに目をつけられたり、嫌がらせを受けてるから、気をつけて欲しい」と言われた。


 2年の時地元の代表でクイズ大会に出て結果を出してから、周りの反応が徐々に変わってきた。

 最初「男目当て」と言ってきた同級生達は、急に手のひら返したかのように、頑張ってるねと言ってきて、気味が悪かった。

 顧問の言うとおり、大会に出たら他所の学校の男子に連絡先や個人用SNSのアカウントを教えてくれと迫る人が出てきた。これは《《序の口》》だ。


 SNSのアカウントをわざわざ探し出して、俺と付き合えと何度も迫る人、セクハラコメントを送ってくる人も。

 大きな大会に出た時に、私の写真が出回って、ネットのまとめサイトに、容姿の品評だ性的なことを示唆しさする投稿があると、先輩が教えてくれた。

 私が卒業した高校のクイズ研究部はSNSを運営していて、投稿に対して、悪質なものが増えてきたから。


 私も多少投稿するが、ほとんど顧問や部長だった。


 今まで過去にいた女性の先輩も、同じようなことをされていると言っていた。

 私は一部の心のない人達によって”珍獣”扱いにされていた。そして、男好きの汚名をつけられた。


 顧問も私や部活への悪質な嫌がらせを見過ごせず、警察に相談をして、数人しょっ引いた。


 大会で少し一緒になった人だったり、本当に面識のない人だったり様々。性別年齢もバラバラだ。

 部活のアカウントが、クイズ界隈でのコミュニテイで、名前が広まったのがきっかけだ。


 気づかないうちに有名人になっていたのも怖いが、男好きという汚名を着せられたのがなにより悔しかった。


 将来、《《あの人のようになる》》と言った人達に知られて「ほら、やっぱりね」って言われるのが想像できた。それが悔しかった。

 自分がなにかやらかしたら、巻き込まれたら、あの人を引き合いにして喜ぶ人間がいる以上、私は人一倍、品行方正、真面目に生きてきた。


 あの人のように性別で態度変えるなんてしてないし、ずるもしていない自信がある。

 女子部員が少ないし、大会に出て他校の女子とやっとつながったぐらいだ。


 3年の時に女子の後輩が2人入ってきて、まるで妹のように大切にした。今でも付き合いがある。

 男子に言えないような悩みや愚痴の相手をしている。

 

 大学もクイズ研究部があるとこを選んだので、結果的に都会の方になってしまった。

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