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世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!  作者: 月見里ゆずる
9章

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8

今日は外出たくないから、ベッドの上でずっとゴロゴロしていた。

 部屋は薄暗く、布団を被ってるにも関わらず、足先の冷たさがこたえる。


 どうして、せっかくの休日を台無しにした時ってこんなに罪悪感半端ないんだろう。


 バイトも講義も休みで、寮の同室の子が部活でいないから、掃除や料理しようと思ってたのに。


 ――私は絶対あの人のようにはならない。

 

 小学校の授業参観で、あの人のおかしさに気づいてから。


 主役である子供達より一際目立つ格好。


 膝より上のスカートやショートパンツとか、肩や背中が見えるトップスと、ハリウッド女優が着ているような露出が激しいもの。

 またあるときは、チャイナドレス風やどっかの学校の制服のようなワンピースとフリフリ系。


 前者は担任が男性の時、後者は女性の時だ。

 周りのお父さん・お母さんは少し小綺麗系やカジュアル系が多かったから、余計目立つ。


 担任とクラスの子達、他のお母さんお父さん達から向けられる軽蔑の視線、ひそひそ声。私とあの人への。


 いつも友達や同級生のお母さんから「陽鞠ひまりちゃんのお母さんはおしゃれね」「個性的な格好してるね」と言われていた。

 気づく前は「うちのお母さんは、自分が言うだけあって、周りの人も認めるぐらい可愛いし、おしゃれだ」なんて無邪気に思ってた。

「私のお母さんね、世界一可愛いの」といつも自慢していた。


 あれは遠回しの皮肉だ。あの人の頭がおめでたいことに対する。そんな親を持っている私への《《憐れみ》》。


 あの授業参観は、私があの人に対して軽蔑の対象に変わった日でもあった。

 とにかく自分が主役でいないと嫌。お姫様扱いされないと気が済まない。


 私と父はもちろん、祖父や叔父・叔母、母の実家にいるお手伝いさん達、私の友達のお母さん・お父さん、お店の人……身内だろうがそうでなかろうと、お構いなしに人を使う。


 今は分からないが、一緒にいたときはコーヒー1杯すら、自分で用意せず、お手伝いさん達を呼んでやらせていた。

 あの人は呑気にスマホいじってるだけ。


 しかも自分が気に入らない味だと、お手伝いさんにコーヒーふっかけたり、罵倒する。

 自分で味の調整すらしないのだ。


 ほぼ毎日父がいない時間を見計らって、祖母とお手伝いさん達呼んで、自分で家事やった風を長年演じていた。

 そのお手伝いさん達がいないとき、私と父で家事をやってきた。


 私は小学校高学年ぐらいから、母と祖母に「将来のために出来るようになりなさい」といきなり言われ始めた。

 父と一緒に掃除や洗濯や料理をやってきたが、あの人は、何一つやることなく、だらだらしてるだけ。


 不備があれば、お手伝いさん達のようにされる。しかも、ほとんどが、その状況に関係ないもので、変えようがないものだ。

 例えば、育ちや容姿、家庭環境など。

 マウントとって、自分が優位に立ちたいだけだった。


 それでもって、掃除が終わった後の様子や、料理をスマホで撮影して、いかにも自分がしましたと装っていた。

 撮影終わるまで全然食事に手をつけられなかったし、どの食器に盛り付けるだ、箸置きを使うだこだわるので、余計時間かかった。

 口出しするのはもってのほか。

 親に口答えしたとか反抗したと見做して、怒鳴られたり、最悪外に追い出されてしまう。


 それこそ、今の11月下旬ぐらいの時期に追い出された時(小学校5年ぐらい)は、泣いて訴えた。

 しかも日が暮れた時間帯で、パジャマ姿で裸足だ。

 開けるにもチェーンがかけられていた。


 運良く父が帰ってきて、開けて貰ったが、父も一緒に怒られた。余計なことするなということで。

 父が淡々とやめるように言っても、あの人は自分は悪くない、不愉快にさせたやつが悪いと一点張りだった。


 私と父はあの人の見栄とマウント取りのために、”犠牲”になってきた。

 専業主婦で働く必要なく、夫と娘にも愛されている、好きなことが出来る自分を演出したっかったのだと思う。


 しょっちゅう働いている人を祖母と一緒にバカにしていた。叔母が働かされて可哀想だと。


 私の友達のお母さんや担任や習い事の先生達など、無神経なことを言って顰蹙ひんしゅくかってた。


 本当は専業主婦なのに、家のことはなにもせず、人任せ、おいしいとこ取りして威張り腐ってるだけ。

 だらだらスマホいじってるか、他所の"友達"や祖母と遊んでいるだけだ。


 そのくせ、授業参観や面談や保護者会の役員になりたがって周りを振り回してきた。

 無神経な言動で、他の保護者とトラブル起こして、自分の立場が微妙なものとなっていた。ストッパーは父だ。

 父が全て尻拭いしていた。

 あの人は終始”被害者”でいたがって、何も反省していなかった。

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