表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スライム・スレイヤー  作者: そらりん
第1章 異世界
50/50

魅惑の粘魔(パフュームスライム)

リリスはニブルとともにスライムの親玉を倒した後、少しの間その場に立ち尽くしていた。戦闘の余韻が残る中、彼女はニブルの方を見た。


「本当に、助かったわ…でも、あのスライム、ただの怪物じゃなかった。」


ニブルは頷いた。「ああ、あのスライムはただの脅威じゃない。背後に、もっと大きな力があることを感じる。」


リリスは少し黙り込んだ。彼女の心の中には、何かが引っかかっているようだった。ニブルはその気配を感じ取り、リリスに問いかけた。


「君、何か隠していることがあるのか?」


リリスは一瞬顔を曇らせたが、やがて深く息を吐いて言った。「実は、あのスライムは…私の元々の上司、いや、元々の女王よ。」


「女王?」ニブルは驚き、リリスの話に耳を傾けた。


「そう。パフュームスライム…あれは昔、人間だったの。」リリスは話し始めた。「その女王は、私と同じように美しさと魅力を持っていた。でも、あの人には…ある運命があったの。」


リリスは目を伏せ、思い出にふけるように語り続けた。


「彼女は、かつて絶世の美女として、歓楽街を支配していたわ。でも、誰にも心を許さなかった。ある時、ひとりの冒険者に出会った。彼は、まるで夢のような人物だった。勇者だと言われ、強く、そして優しく、誰よりも輝いていた。でも、その人は、私が思っていた勇者じゃなかった…」


ニブルは静かに彼女の言葉を聞きながら、リリスの目の前に浮かぶ過去の影を感じ取っていた。


「その勇者は、偽物だった。私が心を許したその人は、実はただのチャラい男で、女をゴミのように扱い、取っ替え引っ替えしていたの。」リリスの声は震えていた。「私は騙されて、結婚まで考えた。でも、彼は私を裏切り、顔に火を浴びせて…その結果、私は顔に大きな火傷を負った。」


「そんな…」ニブルは驚きと同時に、リリスの心の痛みを感じた。


「そして、あの偽の勇者は失踪した。私は愛する人と、私の誇りを一瞬で失った。」リリスは涙をこぼしながら続けた。「その時、スライム軍の科学者が声をかけてきたの。顔を戻してあげる代わりに、スライムの細胞を取り入れ、私の命令を受けて生きることを提案された。そして、私はそれを受け入れた。自暴自棄になり、何もかもを投げ出して。」


ニブルはリリスを見つめ、彼女がどれほど苦しんできたのかを理解した。


「そして、彼女はその後、歓楽街の女王として君臨した。スライムとして生きることになったが、外見は人間のままだった。だが、内面はもう…スライムとしての力に支配されてしまっていた。」


リリスは涙を拭い、力強く言った。「だからこそ、私は彼女を倒さなければならない。あのスライムは、私が逃げられなかった罠の象徴だもの。」


ニブルは彼女の決意を感じ、頷いた。「君がそのために戦うのなら、俺も力を貸す。」


リリスは感謝の気持ちを込めて、彼に微笑んだ。「ありがとう、ニブル。でも、この戦いは私だけのもの。私が決着をつけるわ。」


その瞬間、街の一角から一陣の風が吹き抜け、異様な匂いが漂ってきた。リリスはその匂いに反応し、目を見開いた。


「来たわ…あの女王が…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ