再会
現世にスライムが流れ込み、異次元へのゲートからニブルたち冒険者がついに戻ってきた。地球の大地に降り立ったニブルは、目の前に広がる景色に少しの違和感を覚えたが、すぐにその違和感を振り払って、次の目的へと駆け出す。
「急がなければ。」ニブルが呟く。スライムの襲撃はすでに始まっており、世界はその魔物たちによって徐々に侵食されつつあった。
しかし、ニブルが自分の故郷に近づくと、遠くから煙のような異常な気配が漂っていた。だんだんとその煙が形を取ると、そこにスライムの大群が現れ、ニブルの故郷の町を飲み込んでいくのが見えた。
「両親は…大丈夫か?」ニブルは心臓が痛むような感覚を覚え、走り出す。彼の家、かつて温かい笑顔で迎えてくれた場所が、今、恐ろしいスライムの手にかかろうとしている。
家の前に辿り着いた時、ニブルは目の前にいるスライムの群れに立ち向かうべく、素早く戦闘態勢を取った。スライムたちはただの魔物ではなかった。毒を放ったり、周囲の環境をすぐに変化させたりと、その攻撃は厄介なものだった。
そして、家の玄関前で、ニブルはついに両親がスライムに襲われているのを目撃する。その瞬間、彼は全身の力を込めて、スライムを次々に切り裂いていく。スライムが飛び散り、無力に転がっていく。
両親を守り抜くことができたが、彼らの顔はどこか違った。ニブルはその顔が以前と違うことに気づく。だが、彼の心はもうそれ以上に沈黙し、目の前で戦うことだけに集中していた。
スライムを倒しきると、ニブルはその場で立ち尽くす。両親を救えたことに安堵の気持ちが湧き上がったが、同時に心の中で何かが押しつぶされるような、言いようのない感情に包まれた。
そして、その時だった。彼の耳に、ふと聞こえてきた言葉があった。
「ありがとう。」
声は発せられていないが、ニブルの心にはその言葉がしっかりと響いた。言葉は交わさなかったが、その一言で、全てが理解できた。彼は、転生前の自分を思い出し、目の前の両親のような存在が今も彼を支えていることに気づく。
その瞬間、ニブルの目から一筋の涙がこぼれ落ちた。彼の心には深い感謝の気持ちが込められていた。
両親を守った後、ニブルはゆっくりとその場を離れる。そして、再び戦いに赴くため、世界を守るために、彼の冒険は続いていくのだった。




