現世への侵攻
王都を解放し、スライム軍を撃退した後、ニブルたちは思いもよらない真実に直面することとなった。魔王軍が引き起こした大規模なスライム変換の真の目的が、彼らの目の前に明らかになる。
「魔王の目的は、ただ単に王国を支配することではなかった。」ニブルが声を低くして言う。「スライムを使って異世界への扉を開けることが、彼の本当の狙いだったんだ。」
シルフィーも驚きの表情を浮かべる。「異世界への扉…?そんなことが可能なのか?」
バルドはしばらく黙っていたが、すぐに頷いた。「この世界と異世界は繋がっている。だが、それを利用するためには、膨大な魔力と特定の条件が必要だ。」
ニブルが説明を続ける。「スライムに変わった王都の人々は、意識を失ってただの兵士として利用されていたわけではない。彼らは魔王が準備した異世界への扉を開くためのエネルギー源となるべく、スライムの体に変えられたんだ。つまり、スライムという魔物が引き起こす魔法の波動が、異世界の扉を開くためのキーだった。」
「それで、異世界の扉が開かれた時、魔王軍は現世—つまり地球—に傾れ込むつもりだったのか。」バルドが言った。「地球を支配し、新しい開拓地として使うつもりだったというわけだ。」
「その通りだ。」ニブルがうなずいた。「スライムの大量発生と魔法陣が発動することで、異世界と現世を繋ぐ扉が開く。その扉を使えば、魔王軍は無限の軍勢を地球に送り込むことができる。そして、異世界の魔物たちは地球の人間を支配し、新たな世界の支配者となることができる。」
「それが魔王軍の真の目的だったのか。」シルフィーはショックを受けた表情で言った。「私たちが倒したスライムたちも、その一環だったんですね。」
ニブルは冷静にその情報を整理し、次にどうすべきかを考えた。「私たちは、魔王軍が本当に異世界の扉を開けた後、すぐにでも地球へ侵略しに来るだろう。扉が開かれたまま放置されれば、魔王軍の支配が始まってしまう。今すぐその扉を閉じる方法を探さなければならない。」
その時、王国の賢者がニブルたちに近づき、重要な情報を持ってきた。「実は、魔王軍が開こうとしていた扉は、すでに少しずつ開き始めている。だが、それを閉じるには特別な儀式が必要で、いくつかの強力な魔法アイテムが必要だ。」
「儀式?」ニブルが尋ねる。「どこでそれらのアイテムを手に入れることができる?」
賢者は深刻な表情で答える。「それらは、王国の外、古代の遺跡に隠されていると言われています。だが、その遺跡は今や魔物に占拠されており、容易に近づける場所ではない。」
「遺跡か…」ニブルは一瞬考え込んだ後、決意を固めた。「遺跡を探し、そのアイテムを手に入れて、異世界の扉を閉じる。これが魔王軍を完全に止めるための唯一の方法だ。」
シルフィーが決意を込めて言った。「私たちがやらなければ、誰もこの世界を守れない。行こう、ニブル。」
バルドも大剣を肩に担ぎ、静かにうなずいた。「どんな困難が待ち受けていても、俺たちが守らなきゃならないものがある。それに、俺はこの戦いを最後まで諦めない。」
こうして、ニブルとその仲間たちは、異世界への扉を閉じるために、古代の遺跡へと向かう決意を固めた。時間との戦いが始まった。




