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スライム・スレイヤー  作者: そらりん
第1章 異世界
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リリスの過去

### 7話:リリスの過去と新たな希望


リリスは静かに目を閉じた。過去の記憶がまるで波のように押し寄せてくる。彼女はその一つ一つを、少しずつ、ゆっくりと語り始めた。


「私は幼い頃から、無意識に男を魅了していた。」リリスの声は震え、心の奥深くから湧き上がる苦しみが感じられた。「それが恐怖に変わったのよ。男たちがとにかく寄ってきて、私は何をしても逃れられなかった。どうしてそんなに私に近づくのか、怖かった。でも…」


彼女は一瞬言葉を止め、目を閉じて深く息を吐いた。思い出すのは、幼い日の辛い記憶だった。男たちの視線、欲望、そしてそれに反することができなかった自分自身。


「でも、女からも嫌われていた。だから、男たちに守ってもらうことが必要だった。守ってくれたおかげで、私はなんとか生きていけた。でも、それがまた恐怖を増していった。誰も信用できなかった。誰も私の味方ではなかった。私は、いつも孤独だった。」


彼女の目には、過去の苦しみとその影が浮かんでいた。どれだけ周りが優しそうに見えても、彼女の中には疑念と恐怖が根を張り続けていた。


「やがて、お金も尽きて、私は歓楽街で働くしかなかった。」リリスは口を噛み締め、目を伏せた。「でも、そこもまた危険な場所だった。パフュームスライムが支配している場所だから、命を狙われることもあった。」


リリスは、長い間抱えてきた苦しみを吐き出すように語り続けた。それが彼女にとってどれほど重いものであったか、そしてその孤独から抜け出すことがどれほど難しかったかを、ニブルには理解できた。


「そんな時、あなたたちが来たのよ。」リリスは静かに顔を上げ、ニブルを見つめた。その目には、感謝の気持ちと、まだ信じきれないという不安が混ざり合っていた。「ニブル、あなたたちが私を助けてくれたおかげで、私は今ここにいる。」


ニブルは言葉をかけることなく、ただ彼女の話を静かに聞いていた。リリスの過去を知ることで、彼女の行動がどれほど深い理由から来ているのか、少しずつ理解できた。


「リリス、君はもう孤独じゃない。」ニブルは柔らかく、しかし力強く言った。「俺たちは君の味方だ。君がどんな過去を持っていようと、俺たちがここにいる限り、君は一人じゃない。」


その言葉に、リリスは少しだけ涙を浮かべた。しかし、その涙は過去の痛みを乗り越えた証でもあった。彼女はゆっくりと頷き、少しずつその心に芽生えた希望を信じ始めた。


「ありがとう、ニブル。」リリスは小さく、しかし確かに言った。「でも、私にはもう一つ、乗り越えなければならないことがある。それは、あの女王を倒すこと。」


その時、遠くから不気味な音が響き渡った。それは、歓楽街の闇から響いてくる足音だった。リリスはその音を聞き、すぐに立ち上がった。


「来たわね…」彼女の目は再び冷徹になった。「パフュームスライムが私を狙ってくる。」


ニブルはリリスの決意を感じ取り、すぐに戦闘準備を整えた。「俺たちがついている。君が無理をする必要はない。」


だが、リリスは一歩前に出て言った。「私は、私の手でこの決着をつける。過去の自分を乗り越え、この街を解放するために。」


その言葉に、ニブルはただ頷くことしかできなかった。リリスの覚悟が固まった今、彼女の力を支えることはただのサポートに過ぎない。彼女の戦いは、彼女自身が乗り越えるべきものだと感じたからだ。


「さあ、行こう。あの女王を倒すために。」リリスはもう迷わなかった。過去と向き合い、未来を切り開くために、彼女は前へ進み続ける。

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