復讐
1週間、病院で入院していた後、ようやく退院した。診断結果は打撲だけで、奇跡的に命に別状はなかった。だが、身体の痛みよりも心の傷が深かった。
退院後、看護婦さんと一緒に村の様子を見に行くことになった。村は、想像を絶する光景だった。家屋は崩れ、道は荒れ果て、まるで戦争でもあったかのような荒廃した景色が広がっていた。家の一つ一つが瓦礫の山となり、かつて人々の笑い声が響いていた場所は、今や無人の廃墟と化していた。
自分の家に辿り着くと、家は完全に潰れていた。瓦礫の中を必死に掘り起こしてみたが、当然のように家族の姿は見つからなかった。家の中にあったはずの物も、何もかもが粉々になっていた。
だが、瓦礫の中から一枚の家族写真が転がっているのを見つけた。額縁にはヒビが入っており、かろうじて残った写真に家族の笑顔が映っていた。その瞬間、こみ上げる感情を抑えきれず、ただその写真を抱えて泣きじゃくった。
「俺はあの魔物を倒す」
心の中で誓った。あの化け物のせいで家族を失い、全てを奪われた。復讐が、この世で唯一、俺に残された目的だった。
町に戻ると、街角で号外が配られていた。
「号外だー!号外だー!新種の魔物が出たぞ!」
号外を手に取ると、その一面には、俺の村が襲われた事件と新たに現れた魔物のことが載っていた。その魔物の名前は「スライム」と名付けられており、恐ろしい勢いで町を壊し、村を壊滅させていた。
「スライム…」
その名前を呟いた瞬間、心の中で何かが弾けた。「俺は奴に復讐する」と強く誓い、新聞を力任せに握りつぶした。もう後戻りはできない。復讐の炎が心の中で燃え上がり、冷静さを失っていった。
数日後、退院した俺は、病院の人にお礼を言い、近くに町がないか尋ねた。
「ここから南へ数キロ行ったところに、大きな街がありますよ。そこには冒険者という職業の人たちが集まっていて、魔物を退治してお金を稼いでいるんです。街の中心にあるギルドで登録すれば、冒険者としての仕事もできるでしょう。」
「ありがとう」
俺はその情報を胸に、街へ向かうことを決意した。これからは、魔物を倒すために力をつけなければならない。スライムに家族を奪われた復讐を果たすため、そして自分の力を証明するために、冒険者として新たな一歩を踏み出すのだった。
決意を胸に、俺は町を後にした。




