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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第五章 鎖の街 カラン軍事学校編
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97話 騎射


 それから数日、僕は生徒たちの訓練を続けた。

 

 訓練としては、まず長距離行軍。それから弓矢、槍による集団戦、個人戦ということになる。特に腕力のあるメンバーにはハルバードも渡した。

 

 防具については、軽装の革鎧を渡した。また、あまり重い防具を着ることは禁止した。と言うのも、重い防具を着ると速く動けないと思ったからだ。逃げたり隠れたりしながら戦うという戦術を教えているので、それはまずい。

 

 ちなみにこの戦術についてはシギスが文句を言っていた。まあ彼は敵前逃亡は絶対ダメって言ってたし。当然ではある。とはいえ、僕としては逃亡を禁止する気は無かった。逃げないで殺されたら駄目だと思ったからだ。シギスも渋々納得してくれた。

 

 その日、僕はカラン近くの平原で騎乗戦の訓練をしていた。全員一応馬は乗れる(技術に個人差はあるが)。騎乗して矢を放ったり、馬を並べて走らせたりする訓練をしていた。

 

 その時、羊飼いの女性が血相を変えて走ってきた。

「海賊だ!」

 そう叫ぶ女性。

「どうしました!?」

 僕は答えた。生徒たちも注目する。

 

「海賊が上陸して、略奪しているんです! あなたたち、軍事学校の人たちですか? どうかお助け下さい!」

 そう言う女性。

 

 まずい状況だ……。どうするか。

 

「敵の数は?」

 僕は聞いた。

「わかりません。ただ、馬に乗っていて……」

 そう言う女性。

 

「先生、ここで見捨てるわけにはいかないでしょう。助けに行きましょう」

 そういうトロルの女性、リュボフ。

「よし、行こうか。みんな、弓矢を使って慎重に戦うように!」

 僕は言った。

 

 僕達が急行すると、あたりは大変なことになっていた。馬に乗った連中が、民家を襲っているようだ。

「外道め……、はあ!」

 ビシュン! と馬上から矢を放つヴァンダ。見事命中し、海賊一人を倒した。驚く海賊たち。

 

「なんだてめえら!」

「痛い目みてえのか!」

「野郎共、やっちまえ!」

 わああ、と曲刀を抜いて襲い掛かる海賊たち。

 

「撤退しつつ、射撃!」

 僕は命じた。馬を後ろ向きに走らせ射撃する。

 

 騎馬の上からの射撃はとても難しく、生徒たちも苦戦する。だがエルメやヴァンダは見事に射撃し、敵を一人、また一人と倒していった。

 

「ま、待ちやがれ!」

 叫ぶ敵。しかし待たない。

「食らえ!」

 ビシュン! とダークエルフの男、パウルの放った矢が命中し、敵は落馬し、倒れた。敵は全滅したようだ。

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