96話 戦術訓練
午後からは、教室で戦術の訓練をすることにした。
兵士や騎兵、弓兵の駒を動かし、戦う。判定はサイコロで行う。まあ、要はゲームである。
「よーし、突撃だー!」
突撃させるオーラフ君。対して僕は、森の中に隠れ、守りを固めた。守備的に固める僕の陣形を突破できず、消耗していくオーラフ君の軍。
「ちょっとせんせー! ズルいよ! そんな戦い方!」
文句を言うオーラフ君。
「そーだぞ! 正々堂々勝負しろー!」
そういうイクセル君。この二人は人間の男の子だ。
「実戦では正々堂々なんて必要無いよ。とにかく負けない事が重要なんだ」
僕はそう言った。
「まあ、エルフはそう言う戦い方をよくしますけど……、それで良いんですか?」
アネタちゃんが聞いた。
「もちろん、僕は逃げも隠れもするからね」
僕はそう言った。
その後も僕は、ひたすら卑怯千万な戦い方をしまくり、生徒たちを叩きのめした。堀を掘って防御したり、罠を張ったり、相手を包囲したりとか。
「ひ、ひでえ! 大人げねえ!」
文句を言うオーラフ君。
「常に優位を築いて戦うのが正しい戦い方だよ」
僕はそうアドバイスした。
「それはわかりますが……、常に優位に戦えるわけでは無いでしょう」
そういうリザードマンのディアナさん。
「そう言う時には戦わないべきなんだよ。みんな怪我してほしくないからね」
僕はそう言った。