93話 弓矢試験
初日はひとまず、能力の調査に当てた。
入学試験でも剣術や弓の検査はしたものの、厳密に筋力なんかを調査したわけではない。それらを調べる。身長や体重、胸の大きさ……とかはどうでもいいので、とにかく実戦でどれくらい使えるかを知りたい。
まず最初に、弓矢の腕前を調べることにした。遠距離からの射撃の精度を見る。
概ね苦戦していた。みんな弓矢はある程度使えるのだが、ロングボウは相当な腕力と器用さ、熟練が必要で、そう簡単に的には当たらない。射程と破壊力はあるのだが……。
「中々難しいですね……」
蛙人の女性、オリヴィアも苦戦していた。彼女はショートボウの試験では完璧に近かったが、やはりロングボウでは勝手が違うようだ。
そんな中、ダークエルフのアネタは見事に的に命中させていた。彼女のみならず、ダークエルフ組はロングボウの扱いにも慣れているらしく、次々と命中させていく。
「やるねえ。大したものだよ」
試験官をやっているドロテアも感心していた。
「ドロテア、お前もやってみりゃいいじゃねえか」
そういうヤコポ。
「私は良いよ。試験官だしね!」
そう言うドロテア。ちなみにドロテアは弓矢はヘタクソらしい。
ビシュン! グサッ!
そんな中、更に大遠距離から完璧に矢を当てる者が居た。
ヴァンダだ。彼女は、入学試験でも完璧な弓矢の成績を見せていた。しかしロングボウの扱いは更に超越しているようだ。
「す、凄いわね、彼女」
リザードマンの女性、タチアナも驚いていた。実際、ヴァンダの弓矢の腕前は別格のようだ。
「お見事、ヴァンダ。君が一番弓矢は上手いようだね」
僕はそう言った。
「大したことは無いよ」
そう言うヴァンダ。大したものだと思うけどなあ……。




