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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第五章 鎖の街 カラン軍事学校編
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88話 入学試験(前編)


 僕は、カラン軍事学校の募集を始めたわけだが、ちゃんと人が来てくれるかは不安があった。何しろ、カランは人が少なく、また辺境のため、人気も無い土地だ。

 

 そういうわけで好条件にしたのだが、実際の所、それが功を奏したのかはわからないが、もの凄い数の応募があった。3000人以上だ。今回、生徒にするのは100人なので、倍率30倍である。

 

「当然でしょう、世の中貧しい人が多いですし」

 そういうヴァンダちゃん。まあ、確かにそうか……。

 

 もちろん、グランテイルからもたくさんの魔族が応募してくれた。しかしいずれにせよ、全員合格と言うわけにもいかない。入学試験を行うことになった。

 

 ―――

  カラン軍事学校、入学試験を行います。

  指定の日に軍事学校に集え!

              フェイ

 ―――

 

 僕は応募者に、この手紙を送った。

 

 軍事学校も順調に完成していった。農場では、シルヴィアさんとアーダちゃんが見た事もないような野菜を育てていた。

「そりゃ何です?」

 僕は聞いた。

「紫芋じゃ。とても甘くておいしいんじゃよ」

 そういうシルヴィアさん。

 

 食料という意味では、米を育てたかったのだが、このカラン岬地区は水はけが良すぎるため、米はちょっと育たない。仕方ないので、大豆や麦、紫芋、葡萄、蜜柑、バナナなどのフルーツ類を育てることにした。魚も取れるし、食料は十分だ。

 

 そして、入学試験当日。

 

 3000人となると、やはりあり得ない人数だ。せっかく来てもらって申し訳ないが、たくさん落とさないといけない。

 

 まずはランニングと称して、遠距離行軍の試験を行うことにした。常識的に考えて、体力が無いと務まるとは思えない。カランからハイランドまで走り、またカランに戻ってくる。

 

 馬でも相当な距離だ。歩くとなるとかなりの苦行だ。当然、脱落者が続出した。ハイランドに到達し、また引き返す。

 

「ひいひい、もう駄目ー」

 音を上げるドロテア。

「つ、辛いね。フェイは大丈夫なの?」

 ヴァンダちゃんは聞いた。

「まあ、旅は慣れてるからね」

 僕はそう言った。筋力には自信は無いけど、体力には自信がある。

 


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