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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第五章 鎖の街 カラン軍事学校編
87/146

87話 募集


 要塞の建設に並行して、僕は職人たちに命じて、軍事学校を作らせた。

 

 軍事学校は、カランの城壁の外、岬の根本あたりに作ることにした。当然、守備も固めなくてはならない。新たに城壁を拡張する。

 

 主要な教室の他、訓練場、図書館、食堂、寮などを作る。それに加えて、厩舎や牧場、農場も用意した。割と何でもありだ。

 

「軍事学校じゃないのか? 何で農場を作ってるんだ」

 からかうヴァンダちゃん。

「食べることも大事だよ。腹が減っては戦はできないからね」

 僕はそう言った。

 

 コンクリートの力もあって、まず要塞が完成した。街の人たちにも告げた後、鎖をかけた。これでひとまず安心だろう。

 

 要塞には、ファーランド兵が警備してくれることになっている。人数は20人ぐらいだ。

 

 軍事学校の作成に合わせて、大々的に募集をかけた。版画で大量のチラシを作り、方々に配った。ファーランド全国はもちろん、コーネリアやグランテイル、エルティアやドラコニアにまでだ。

 

 ―――

  カラン軍事学校生徒募集!

  君の手でファーランドを守ろう!

  給料、寮、食事付き!

  卒業するとファーランド軍の指揮官になれます!

  詳細はカランのフェイ錬金店まで。

                フェイ

 ―――

 

 こんな感じで。

 また、シギスにも教師になってもらうよう頼んでみた。

 

「嫌だ」

 とにべもなかった。

 

「何で? シギスも教師やろうよ」

 僕はそう言った。

「冗談じゃないっすよ、隊長。俺は軍人が嫌になって遊牧民に戻ったんだぜ。何でまた軍人やらねえといけねえんだよ。おかしいだろ」

 そう言うシギス。

 

「軍人はやらなくていいよ。ただ馬の乗り方を教えてくれればいいさ」

 僕はそう言った。

「そういうわけにもいかんでしょう。教師となれば、戦いのやり方も教えねえといけねえ」

 シギスはそう言った。

 

「しかし、ファーランドは戦う力をあまり持たない。今後の事を考えれば、後進を育てるのも必要じゃないか?」

 僕はそう言った。

「……」

 シギスは考えていた。

 

 そして意を決して言った。

 

「ま、馬の乗り方を教えるぐらいなら構いませんがね……。本当にそれで良いんですね?」

 シギスはそう言った。

「ああ! ありがとう!」

 僕は喜んだ。

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