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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第四章 魔族の国 グランテイル帝国編
78/146

78話 ファーランド城にて


 僕達はひとまずファーランド城へと帰ってきた。

 

 しかし城はもちろん閉じられていた。夜だし。とはいえ、このまま外に居るわけにもいかない。僕は門番に挨拶した。

 

「こんばんは。すいませんが、休ませてもらえませんか」

 僕は頼んだ。

「これはフェイ殿。グランテイルから戻られたのですか?」

 門番はそう聞いた。僕の事を覚えてくれていたようだ。

「ええ、そうです。入っても良いですか?」

 僕は聞いた。

「そりゃもう。どうぞどうぞ」

 門番は入れてくれた。

 

 僕達は城内に入った。この城に入るのも懐かしいが、パーティーをしたり、姫様と話し合ったり、思い出は多い城だ。

 

「あらまあ、フェイ様」

 バレンティナさんが階段を降り、やってきた。元気そうだ。服装は寝間着っぽい。

 

「すいません、バレンティナさん。動いても大丈夫なのですか?」

 僕は聞いた。

「そりゃもう。フェイ様に頂いた薬のおかげで、元気ですよ私!」

 そういうバレンティナさん。

「そうですか。でもあの薬の飲み過ぎには注意してくださいね」

 僕は忠告した。


「大丈夫ですわ。ところで、変わった方々を連れておられますね」

 そういうバレンティナさん。

「どうも、アーダと言います」

 ペコリ、と頭を下げるアーダちゃん。

「私はシルヴィアじゃ。フェイ、この女は?」

 そう聞くシルヴィアさん。

「バレンティナさんは、心臓が弱くて、僕が薬を作ってさしあげたのです」

 僕はそう言った。

 

「へえ、そうなのか。心臓に効く薬なんて私は知らないが……。お前が発明したのか?」

 そう聞くシルヴィアさん。

「いや、僕が師匠にもらった本に書いてありましたね」

 僕は言った。

「ブランカか。あいつも変わった技術を持っているもんだな」

 そういうシルヴィアさん。ブランカ師匠も、シルヴィアさんに勝る技術を持っていたようだ。

 

「フェイ殿、良く来られた」

 レフさんも階段を降りてきた。老いた感じはあるが、元気そうだ。

「レフさん、ごぶざたしております」

 僕はそう言った。

「ちょうどあなたと話をしたいと思っていたのですよ。まあ、こんな夜中に来られるとは思いませんでしたがな」

 レフさんはそう言った。

 

「あはは、すいません。それで、話とは?」

 僕は聞いた。

「ふむ……。少々込み入った話なので、私の部屋に来てくださいませんかな」

 レフさんはそう言った。

「構いませんよ。みんな、ここで休んでてくれ」

 僕はそう言って、レフさんと共に彼の部屋へと向かった。

 


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