表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不遇の錬金術師  作者: 秀一
第四章 魔族の国 グランテイル帝国編
76/146

76話 勉強


 それからしばらく、僕はシルヴィアさんの下で錬金術を学んだ。

 

 僕も錬金術師として、様々なものを作ってきた。だから錬金術については詳しいと思っていたけど、シルヴィアさんとアーダちゃんの技術たるや、桁外れだった。

 

 何と言っても、この古代遺跡の中にある、古代ドワーフの技術をマスターしているのは大きい。その基礎技術に加え、独自のアレンジが色々加えられている。

 

 シルヴィアさんの知識量の凄さも驚きだが、アーダちゃんの創造力というか発想力の高さも驚くべきものだった。特に蒸気のエネルギーを運動エネルギーに変換する技術、『蒸気機関』の応用力は高いだろう。上手く使えば、世の中を大きく変えられそうだ。

 

 僕達は地下都市に籠り、ひたすらドワーフの文献に当たったり、実験したり、工作したりして過ごした。ドロテアもアドリアンさんも文句を言っていたが、まあ仕方ない。

 

 そうして瞬く間に10日が過ぎた。もう大陸に帰らないといけない。

 

「師匠、ありがとうございました。勉強になりました」

 僕はその日、シルヴィアさんにそう言った。

「む、もう帰るのか。まだまだ修行はこれからだぞ」

 そういうシルヴィアさん。

「んー、でも仕方ないですよね。大陸の人ですし……」

 そういうアーダちゃん。

 

「ていうか、師匠もアーダちゃんも、大陸に来ていただけませんか? そうすりゃもっと色々研究もできるし、世の中の役にも立てると思うんですけど」

 僕はそう言ってみた。

 

「私にはこの遺跡を守る役目があるのだ。ていうか吸血鬼だし、太陽の当たる所は苦手だ……」

 そういうシルヴィアさん。

「わ、私は行ってみようかな」

 乗り気なアーダちゃん。

 

「本当に? 歓迎するよ、アーダちゃん」

 そう言う僕。

「フェイさんとは色々勉強しましたし、まだまだ研究したい事もありますしね」

 アーダちゃんはそう言った。

 

「師匠は本当に良いんですか? こんな所に引き篭もっているのも、あまり健康に良くないのでは」

 僕はそう言った。

「まあそうかもしれんが……。そもそも、大陸で私が住めるところとかあるのか?」

 そう聞くシルヴィアさん。

「ジャムルの鉱山とかなら行けるんじゃないですか。ノームたちが住んでますよ」

 僕は言った。

 

「ノームか……。まあ嫌いでは無いけどな。大陸に私の知り合いでも居れば良いんだが」

 そう言うシルヴィアさん。

「『剣聖』セラさんとかならいますけどね」

 僕は言った。

 

「あいつまだ生きてたのか……。それじゃあ、たまには顔でも見に行こうかな」

 乗り気になってくれたシルヴィアさん。

「お、師匠も行ってくれるんですね! これで安心ですね!」

 そういうアーダちゃん。

 

「それじゃあみんなで行きましょうか。船はあるんですか?」

 僕は聞いた。

「とっておきのものがあるよ」

 そう言ってにやりと笑うシルヴィアさん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ