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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第四章 魔族の国 グランテイル帝国編
72/146

72話 扇風機


 夜には、文化祭が開かれた。

 

 ゴブリンたちが吹奏楽をやってくれた。ゴブリンにそんなことができるのかとびっくりしたが、意外と頭が良く器用らしい。

 

 料理もとても美味しかった。スパイシーな鶏肉や海老、魚が並んでいた。ドロテアもアドリアンさんも満足していたようだ。

 

 そして舞台にはテレサちゃんとアーダちゃんが立った。

 

「それでは、これよりアーダちゃんの発明なのだー!」

 叫ぶテレサちゃん。

「や、やります。てりゃー!」

 何かの紐を引っ張るアーダちゃん。

 

 するとブオオオオオオ! と涼しい風が吹いて来た。

 

 この島は文句なしに暑い。だから涼しい風は嬉しい。

 

 パチパチパチパチ……と拍手が巻き起こった。

 

 アーダちゃんは後ろの装置を操作して風を止めた。僕は気になった。

 

「アーダちゃん、今のはどうやったの?」

 僕はそう聞いた。

「風を吹かして涼しくしました! えへへ、凄いでしょ!」

 自慢するアーダちゃん。

 

「確かに凄いね。どういう仕組みなの?」

 僕は聞いた。

「んー、まあ大した仕組みではないですけどね。でも、誰も理解してはくれなかったんですけど……」

 そう言うアーダちゃん。

「アーダちゃんは天才なのだ! よって誰も理解できないのだ!」

 そういうテレサちゃん。

 

 僕はその装置を見た。後ろに何かが入ってるようだ。

 

「これは?」

 僕はその装置を調べてみる。するとかなり熱い。

「ああ、危ないですよ。これを燃やして、扇風機を回してますので」

 そういうアーダちゃん。

「え? 燃やす? 回す?」

 僕はちょっと混乱してきた。

 

「この島の水は燃えるので、それでこの装置から蒸気を発生させ、それで扇風機を回す仕組みなんですよ。わかります?」

 そう聞くアーダちゃん。

「なるほど……。つまりは水車みたいなものか」

 僕はそう言った。

「ああ、そうですね。分かるじゃないですか。まあ、この島には水車なんてありませんけど……」

 そう言うアーダちゃん。やはり水不足なのか……。

 

 

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