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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第三章 海の国 ファーランド共和国編
65/146

65話 風の杖エメルティア


 僕はカランに戻り、杖の作成を開始した。

 

 とは言え、もう材料は揃った。後は加工するだけだ。

 

 まずは、石を軽くカットして形を整える。その後、枝の先端をくりぬき、緑風石をはめこめば完成だ。

 

「フェイ、何してるの?」

 入ってきて、そう聞くドロテア。

「杖を作っていたんだよ。良い物ができたよ」

 僕は杖を見せた。

「へえ、緑風石の杖か。私にくれるの?」

 そう聞くドロテア。

「いや、自分用だよ。武器は作らないでってシルヴィオさんも言ってたしね」

 僕はそう言った。

「そっか……。でも私も杖とか欲しいなあ。いずれ作ってよ、フェイ君」

 そう言うドロテア。

「いずれね」

 何となくそう言った僕。

 

 杖は輝いている。強力な力を秘めているようだ。

 

「良さそうだね。名前はなんて言うの?」

 そう聞くドロテア。

「んー、風の杖で良いんじゃないかな」

 僕は言った。

「駄目だよ! そんな適当な名前じゃ。何かこう、カッコイイ感じじゃないと!」

 無茶を言うドロテア。

 

「それなら、エメルティアと言うのはどうかな」

 僕は言った。

「ん? どういう意味?」

 聞くドロテア。

「確か、古いエルフ語でそんな言葉があったと思うんだよね。まあ、頭の中に思いついた名前だけど」

 僕は言った。

「ふうん、良いんじゃない? じゃ、エメルティアね。たまには私にも貸してね!」

 そう言うドロテア。貸しちゃうと取られちゃいそうだな……。

 


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