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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第三章 海の国 ファーランド共和国編
63/146

63話 民会


 イリスで民会が開かれた。

 

 議長はルシールさんだ。様々な法案が決議され、了承されていく。と言ってもまあ、大したものはない。戦争直後には復興のための予算が組まれたりしたものだが、それらも終わり、今は平和だからだ。

 

 しかしその日はちょっと様子が違った。変わった来客が居たのだ。と言うか、グランテイルの皇帝、オスカルさんが来た。

 

 ざわざわ……と騒ぎになる。もちろん同盟国なので問題はないはずだが、相手が相手だから……。

 

「我らの友人、グランテイルの皇帝、オスカル殿です。その話を聞きましょう」

 ルシールさんが言うと、あたりは静まり返った。

 

「諸君、今日は我々を迎えてくださり、感謝します。しかしながら、未だに我が国とファーランド国との間は誤解や不和がある」

 オスカルさんはそう言った。

 

「今こそ、そう言った誤解を解き、両国の同盟と友好を確固たるものにしたい。そのために、交流会を開こうかと思います。議員の方も、是非参加していただきたい」

 オスカルさんはそう言った。

 

 話し合う議員たち……。

 

「交流会、ですか……、しかしうまくいくかしら」

 不安そうなカンデさん。

「そうですね。昨日の今日ですし……」

 僕もそう言った。

 

「交流会の開始は三日後。グランテイル各地を周っていただきます。参加される方は、ぜひ挙手していただきたい」

 ルシールさんがそう言った。

 

「どうする? 面白そうだが……」

「しかしワシャ歳じゃからのお……」

「私も商売で忙しくて……」

 そう言って躊躇する議員たち。

 

 僕は考える。グランテイルか……。

 エリクサーの材料はグランテイルにもある。『黒魔石』と言われるものだ。それも欲しいけど、ここでせっかくの交流会を無駄にするのもどうかと思う。どうすべきか……?

 

「……参加される者はおられませんかな?」

 悲しそうにする魔王様。

「それならば、私が」

 僕は手を挙げた。注目を集めた。

 

「おお、フェイ殿か。あなたならば適任だろう」

 喜ぶオスカルさん。

「フェイ様が行かれるなら、私も是非!」

 そう言って手を挙げるカンデさん。

「カンデ……。気を付けてな」

 そう言うルシールさん。

 

「お二方でよろしいですかな。安全は確保いたしますが、護衛は10名までは認めます。3日後にお迎えに上がりますので、準備をお願いいたします」

 オスカルさんはそう言った。

 


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