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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第三章 海の国 ファーランド共和国編
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61話 新たなる始まり


 グランテイルとファーランドの先の戦いから4ヵ月。

 

 ファーランドの復興は進み、かつての大国としての姿を取り戻しつつあった。

 

 コーネリア王国とグランテイル帝国の二国は、ファーランド共和国と同盟を締結。ファーランドは、同盟国は自国と同じように扱うため、事実上の連合国となった。

 

 僕はコーネリアから派遣された同盟国議員として、ファーランドに居た。南部のカランという港町の復興を任されたのだ。

 

 カランは、最初にグランテイルの攻撃を受けた街で、被害も特に大きかった。ほとんどの人が逃げたり殺されたりしていたため、復興は難しかったが、僕は食料品店を開き、城壁を修復し、粘り強く人を集めた。

 

 結果、少しずつ人が集まり、それなりの村と言う感じには復興できた。

 

 あの戦いの後、姫様はもちろんコーネリアに戻った。カンタンさんは商売の旅に出た。セラさんもハイランドへと戻った。

 ドロテア、アドリアンさんと共に、この町に居る。

 

「隊長、チーズを作りましたぜ」

 それからシギス。彼は軍をやめ、遊牧民に戻ったようだ。今はこのあたりに居て、よくチーズを分けてくれる。

「ありがとう。しかし無理しなくていいんだよ。こっちでも結構、魚は獲れるしね」

 僕は言った。

「毎日魚じゃ飽きるでしょう。ま、サービスですよ」

 シギスはそう言った。

 

 このあたりは熱帯と言う感じで、暑い。米の収穫量も多く、良い土地だ。元々ジャングルが多く、開墾は大変だが、不可能ではない。時間をかければもっと人口は多くなるだろう。

 

「フェイ殿、そろそろ時間ですぞ」

 そう言うアドリアンさん。

「ああ、ごめんごめん。行こうか」

 僕は馬に乗った。

 

 今日は一ヶ月に一度の民会の日だ。議員なので出ないといけない。

 

 ちなみに、ファーランドには元老院と民会の二つの政治組織がある。力は同じだ。同盟国が参加できるのは民会で、元老院には参加できない。元老院はあくまでファーランドの古い貴族や商人が居る組織だ。民会の議員は通常、選挙で選ばれるが、僕のような例外も居る。

 

 民会はイリスで開かれる。僕とドロテア、アドリアンさんは馬を走らせ、イリスへと向かった。

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