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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第三章 海の国 ファーランド共和国編
60/146

60話 いつか……


 僕達はファーランド城へと帰還し、勝利を報告した。

 

 人々は喜んだ。もちろん姫様もレフさんも喜んだ。バレンティナさんも。

 

 僕達は既にジャムルでも宴会をしていたが、さらに盛大な戦勝パーティーが開かれた。

 

 人々や軍勢だった人たちは、飲めや歌えや踊れやの大騒ぎだった。

 


「ふう……」

 そんな喧騒を離れ、僕はファーランド城の裏手へと来ていた。ここは静かなので落ち着く。夜の海が見える。

 

「何してるの、英雄さん」

 そう言ったのは、姫様だ。白いドレスを着てお洒落している。

 

「英雄だなんて。僕はただの人間だよ」

 僕はそう言った。

 

 姫様が横に座った。僕は驚いた。

 

「そうかもね。ただの人間で結構……」

 そう言う姫様。海と空の星を見つめていた。

 

「姫様だって、この国を救ったじゃないですか」

 僕はそう言った。

「ふふ、お世辞は良いのよ。ま、お互い思ったよりは活躍できたかもね。ただの人間だとしても」

 そう言う姫様。

 

「これからどうするの?」

 彼女は聞いた。

「ん、そうですね……。できたらまた、旅に出なければ」

 僕は言った。

「エリクサーのため?」

 そう聞く姫様。

 

「どうですかね。僕にも守りたいものができてきた……。色んな人に支えられて。自分の力も、少しはあるかもしれないけど、支えられてばかりだ。誰にも支えてもらえないより辛い事は無いけど」

 僕はそう言った。

 

「私も無力だったしね。君と会えてよかった。私もできたら、あなたと旅をしたいものだけど」

 そう言う姫様。

「それは……」

 僕はそう言った。

 

「ふふ、冗談だよ。でもいつか、私を連れて行ってね、フェイ」

 姫様はそう言った。

 


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