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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第一章 アルパ王国編
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6話 初ダンジョン


 僕達はダンジョンへと向かった。

 

 そこは墓地だった。

 

「ちょっとツィルさん!? 何考えてるんですか! 女の子を墓地に連れてくるなんて! 最も間違っているデートスポットですよ!」

 文句を言うソフィーちゃん。

 

「デートじゃねえだろ。今回の依頼は、ここからゾンビが出てくるとかでな。原因の調査と破壊が任務だ。怖じ気づいたのかよ?」

 そういうツィルさん。

「うう、そんなあ……」

 ガタガタと震え、怯えるソフィーちゃん。

 

「ソフィーちゃんは女の子なんだし、そりゃ怖いでしょ。ツィルさん、他の依頼は無いの?」

 僕は聞いた。

「あるわけねえだろ。割の良い依頼だし、今からキャンセルしたら違約金を取られるしな。いいからさっさと突撃しようぜ」

 そういうツィルさん。

「うう、わ、わかりましたよ! 行けば良いんでしょ! 行けば!」

 やけになったのか、僕に捕まりながらも前進するソフィーちゃん。

 

 墓地の中は暗闇だ。ツィルさんは、松明を取り出し、火をつけた。一応の明るさにはなる。

「おい盗賊、ちょっと先を見てきてくれよ」

 そういうツィルさん。

「ひい! 怖いよ~」

 怯えるソフィーちゃん。可愛い。

「盗賊がビビってんじゃねえよ。罠があるかもしれねえだろ。だから連れて来たんだろうが」

 呆れるツィルさん。

 

「うう、わ、罠にかかるかしたらすぐ助けに来てよね、フェイ君!」

 懇願するソフィーちゃん。

「大丈夫だよ。まあ、僕が役に立てるかは知らないけど……」

 あんまり力になれそうにない僕。

 

 松明を持ち、調査するソフィーちゃん。床を探る。

 

「ここに落とし穴があるわね」

 それを見つける。

「へえ、本当かよ?」

 聞くツィルさん。

「本当よ。嘘を言うわけないでしょ。ほら」

 火のついていない松明の一部(つまり枝)を投げるソフィーちゃん。ガタン、と音がして奈落の底へと落ちて行った。

 

「厄介だな……。盗賊を連れてきてよかったよ」

 そういうツィルさん。

「まあ僕達、どう考えても墓荒らしですしね」

 僕はそう言った。

 

 その後もひたすら慎重に調査するソフィーちゃん。しかしまあ、慎重さも功を奏し、良い感じで罠を解除していく。

 

 一つの部屋に入った。堂々と宝箱が鎮座している。

 

「これは怪しいな」

 そういうツィルさん。確かに怪しさ満点だ。

 

「んー」

 宝箱を調べるソフィーちゃん。カチリ、と音がして、ジリリリリリリリリ! と大音響で警報が鳴り響いた。

 

「おい盗賊! 何やってんだよ!」

 文句を言うツィルさん。

「ごめんごめん。ついやっちゃったよ」

 てへぺろするソフィーちゃん。可愛いけど……。

 

「GURUAAAAAAAAAA!」

 突然、ゾンビの群れが襲い掛かってきた。3体は居る。

「クソが! とりゃあ!」

 すぐさま青い大剣で攻撃をかけるツィルさん。敵一体を倒したが、すぐにもう2体が襲い掛かってくる。

「はっ!」

 バシン! とゾンビに石があたり、倒れた。ソフィーちゃんのスリングショットによる攻撃だ。

「てえい!」

 僕も弓矢を取り出し、射撃する。だが外れた。ゾンビが僕に襲い掛かってくる。僕は何とか距離を取り、避ける。

 

「うらあ!」

 ドシュン! とツィルさんの剣斬撃が決まった。凄まじい一撃で、ゾンビは真っ二つになった。

 

 動かなくなるゾンビたち。ひとまずはしのいだが、まだ敵は襲ってくるかもしれない。

 

「おい盗賊、その宝箱は開けられるのかよ?」

 そう聞くツィルさん。

「やってみるね」

 そういうソフィーちゃん。カチャカチャ、と針金をぶっ刺して鍵を開ける。カチャリ、と音がして宝箱は開いた。中にあるのは、美しい黄金色の2対の短剣のようだ。

 

「なんだこりゃ。ガラクタじゃねえか」

 そういうツィルさん。

「いやいや。どう見ても芸術品の短剣でしょ」

 そういうソフィーちゃん。

「んなもん俺は使えねえよ。お前が使うのか?」

 そう聞くツィルさん。

 

「ていうか、この剣の価値が私にも良くわからないけどね。フェイ君はわかる?」

 そう聞くソフィーちゃん。

「多分、アイジール鋼鉄の短剣だと思うよ」

 僕はそう言った。

 

「アイジール鋼鉄!? あの伝説のドワーフの鉱石か?」

 驚くツィルさん。

「そうですね。ていうか、ツィルさんが知らないのが意外でしたが」

 僕は言った。

「もちろんそりゃ知ってるけどよ。こんな短剣にするなんてもったいねえじゃねえか。どうせなら斧か大剣にして欲しかったぜ」

 そういうツィルさん。

 

「よくわかんないんだけど、強いの? この剣」

 そう聞くソフィーちゃん。

「とにかく強いよ。硬いしね。ソフィーちゃんが使いなよ」

 そう言う僕。

「良いの? んじゃ、遠慮なく使わせてもらおうかな」

 そう言って剣を受け取るソフィーちゃん。良く似合っている。

 

 僕達は更に進んだ。

 金で飾られる豪華な部屋に入った。中心には玉座があって、王様が座っている。

 王様は……、骸骨のようだ。

 

「立ち去れ……」

 脅す王様。ソフィーちゃんが怯え、僕に捕まる。

「そうはいかねえな。ここで始末してくれる!」

 そういうツィル。剣を構えた。

 

 その時、ガタガタ、とあたりの棺桶が騒ぎ出し、中から亡霊が現れた。GIEEEEEEE! と恐ろしい声をあげ襲い掛かってくる。

「ひいいい! 《聖なる光》!」

 ソフィーちゃんが神聖魔術を行使した。敵の動きが鈍る。苦しむ亡霊たち。

「はっ!」

 ツィルさんが剣で敵をぶった切っていく。敵の親玉は剣で斬りかかる。だがそれを切り返すと、刺突攻撃をかけた。

 マントをひるがえし、再度剣で斬りかかる敵。ツィルさんはそれに思い切り斬りを入れ、敵の剣を破壊してぶった切った。

「馬鹿な……」

 そう言って敵の王は倒れた。

 

「ああうう……、や、安らかにお眠りください……。《浄化》」

 ソフィーちゃんが祈りを捧げた。骸骨たちは安らかに眠りについたようだ……。

 


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