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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第三章 海の国 ファーランド共和国編
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59話 緑風石


 飲めや歌えやの騒ぎの時も、ちゃんと監視をしていた兵も居た。頭が下がる。

 

 どうもこの街は城壁もなく、守備が甘い。臨時のバリケードをそこいらじゅうに作り、ひとまず最低限の防備を完成させた。

 

「お疲れ様です、フェイさん」

 そう言うシルヴィオさん。

「いえいえ。とりあえず、そろそろファーランド城に引き返そうと思います」

 僕はそう言った。もう戦争も終わりだ。兵士も解散しないといけない。

 

「本当にありがとうございました。ささやかな贈り物です」

 そう言ってシルヴィオさんは、緑の金属の塊をくれた。

 

「これは?」

 僕は聞いた。

「緑風石と言って、ここの名産品です。軽く、硬い。そして風を操ることができる魔法の石ですよ」

 そう言うシルヴィオさん。

「そんなものが……。ありがとうございます」

 僕は感謝した。

 

「まさか錬金術師に救われるとは思ってなかったですけどね。あなたは世界を救う英雄かもしれない」

 シルヴィオさんはそう言った。

「いやいや。僕にそんな力はないですよ。ドロテアやセラさんの力が無いと、あの死神には勝てませんでしたし」

 僕はそう言った。

 

「そうかもしれませんけどね。でもあなただって頑張ってくれたじゃないですか。その力を生かして生きて見てください。きっとあなたの力が、世を救う鍵になりますから」

 そう言うシルヴィオさん。

 

「そうだよフェイ君。フェイ君がいないと、私もセラさんも死んでたよ。もっと自信を持てば良いと思うな」

 そういうドロテア。

「そうだぞフェイ殿。謙虚さは美徳だが、仲間には不要さ」

 セラさんはそう言った。

 

「わかった。僕も自信を持つよ。本当に役に立てるかはわからないけど……」

 僕はそう言った。

「ふふ、まあ困ったらいつでも相談に来てよ。僕も商人としてはそれなりの財力があるからね。きっと役に立てるさ」

 シルヴィオさんはそう言った。

 

 そうして僕達はファーランド城へと引き返した。街道を通り、海辺の城へと向かう。

 


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