58話 祝勝会
「ふう……」
僕達は何とか死神を撃破し、外へ出た。
「おかえりなさい。どうでした?」
そう聞くシギス。
「何とか倒せたよ。ドロテアが怪我したから、治療しないと……」
僕はそう言った。
「……大丈夫だよ。水の精霊よ!」
ドロテアが魔術を行使した。治療魔術のようだ。
「便利ですな。それで、敵は全滅できたので?」
そう聞くアドリアンさん。
「断言はできないが、敵の気配はもう感じない。大丈夫だろう」
セラさんはそう言った。
「おお! 凄い! ありがとう!」
シルヴィオさんがそう言った。
「ありがとう!」「わーい!」
喜ぶノームたち。
「良かったね。私はちょっと休ませてほしい……」
そう言うドロテア。疲労困憊だ。
「僕も休みたいよ……」
そう言って僕はその辺に横になった。
僕が寝て起きると、あたりはお祭り騒ぎになっていた。戦勝パーティーというところか。ドロテアはまだ寝ている。寝かせておこう。
「ははは、剣聖殿。いける口ですかな」
そう言ってセラさんにエールを飲ませるシギス。
「いただきましょう」
セラさんもかなり酔っているようだ。
「ふう……」
僕はまだ眠いが、何とか目を覚ました。
「お、英雄殿。ま、一杯」
そう言ってシルヴィオさんがエールをくれた。
「英雄? 僕が?」
そう聞く僕。
「英雄ですよ。私達にとってはね。ありがとうございます。好きなだけ飲んでいってくださいよ」
そう言うシルヴィオさん。
「あはは、照れますね。それじゃいただきます」
僕はエールを飲んだ。苦くてイマイチ味がわからないが、まあ喉は潤う。
「ん、ふわあ……」
ドロテアも起きた。
「ドロテア、大丈夫?」
僕はそう聞いた。
「あ、うん、大丈夫。まだ腕はちょっと痛いけどね……」
そういうドロテア。
「薬による治療は行ったし、これ以上はどうにもならないよ。まあ、ポーションを飲んでも良いけど」
僕はそう言った。
「この騒ぎでポーションなんて冗談じゃないよ。私もお酒飲む!」
そう言うドロテア。
「ええ……、まあ、ほどほどにね」
僕はそう言った。