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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第三章 海の国 ファーランド共和国編
54/146

54話 魚醤のスパゲッティ


 翌朝。からっと晴れた。

 

 ハイランドの城壁の修復も完了し、僕達は心置きなく出立した。山を下り、まずはイリスを目指す。

 

 騎兵隊が周囲を警戒しながら進む。とはいえ、もう敵はおそらくいないだろう。

 

 何事もなく僕達はイリスへと辿り着いた。城内へと入る。

 

「みんな、ここで少し休んで行こう。昼食をとってほしい。日が傾く頃には出立し、ファーランドへと帰還するぞ」

 僕はそう言った。

 

 僕達はまた、中央の屋敷に戻った。

 

「お帰り、カンデ。……お前らもまた来やがったのか」

 そんな風に言うドワーフ。まあ、そんなに嫌われているわけでも無いようだ。

「ただいま、お父様。皆様に昼食を出してくださいませんか?」

 そういうカンデさん。

「ドワーフの飯で良かったら、そこにあるがね」

 そういうドワーフ。

 

 見ると、麺が置かれていた。無造作に置かれているようだが、茶色いソースがかかっているようだ。良いにおいがする。

 

 僕は皿に取り、フォークで食べてみた。美味しい!

 

「これは美味しいですね。潮風の味、魚醤ですか」

 僕はそう言った。

「ふうん、わかるのか。ま、このあたりじゃ良くある飯だがね」

 ドワーフはそう言った。

 

 アドリアンさんとドロテア、セラさんも食べた。

 

「ほう、これは何とも美味な……」

「凄く美味しいじゃん! なにこれ!」

「ふむ……、良い味だ……」

 三人共喜んでいるようだ。

 

 ドワーフが近づいてきて、セラさんに声をかけた。

 

「剣聖様、ご無事でしたか」

 ドワーフはそう言った。

「うむ。ルシール殿、助けに来てくだされば良かったのに」

 皮肉を言うセラさん。

 

「申し訳ありませんな。敵の狙いが分からない以上、ここを手薄にはできませんので……」

 そういうドワーフ。ルシールと言う名前のようだ。

「変わらんな、君は」

 セラさんはそう言った。少し微笑んでいるようだ。

 

 カンデさんはいつの間にかいなくなっていた。またサロンに戻ったのだろうか……。

 


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