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不遇の錬金術師  作者: 秀一
第三章 海の国 ファーランド共和国編
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48話 ピザとトマト


 カンデのサロンと言うのは、この屋敷とは別の場所にあるようだ。

 

 サロンか……。貴族でもなければ、近寄ることもあり得ないと思っていたけど。

 

「旦那、気を付けてや。カンデお嬢様も、何というか、変わった人やしな」

 そう忠告するカンタンさん。

「そうですか。でも気を付けてと言われてもねえ……」

 小声で話す僕。

 

 イリスの街は大きい。それに見たことも無いような絨毯やスパイス、食べ物屋にあふれていて、何とも楽しい感じだ。

 

「お、ピザが売ってるよ!」

 叫ぶドロテア。

 

「らっしゃい。ピザはいかが?」

 そう聞くピザ屋のおっちゃん。

「買って買って買って!」

 駄々っ子と化したドロテア。

「わ、わかったよ。落ち着いて」

 仕方ないので買う僕。

「毎度あり。銅貨5枚だよ」

 そういう店主。

 

 割と大きめのピザを買ってしまった。チーズと後、赤いソースがかかっている。それに緑のソースも。

 

「ここのピザは美味しいですよ。フェイ様はピザを食べた事は?」

 そう聞くカンデさん。

「ありませんよ。僕はアルパ生まれなもんで」

 そう言う僕。

「まあ、そうなのですか? コーネリアの将軍様と聞きましたが」

 そういうカンデさん。

「成り行きで今はそんな感じですね」

 僕はそう言って、ピザを食べた。

 

 美味しい。これは美味しい。チーズの旨みと、赤と緑のソースのさっぱりした味があう。

 

「美味しいですね。これは美味しい! こんなものがあるとは……」

 驚く僕。

「確かに、良い味ですな」

 アドリアンさんも感心しているようだ。

「でしょ! 私の目に狂いはなかったね」

 何か自慢するドロテア。

 

「それにしても、そちらのお二方は龍人様とダークエルフ様ですか。珍しい方々ですね」

 そういうカンデさん。

「確かに、あまり人間やダークエルフと仲良くしたりはしないからな」

 そういうアドリアンさん。

「ま、私はそういう固い事は気にしないけどね」

 ドロテアはそう言った。

 

「それにしても、このチーズはともかく、赤いソースと緑のソースは?」

 僕は聞いた。

「トマトとバジルですわ。ご存じない?」

 そう聞くカンデさん。

「バジルについては知ってますが、トマトというのは知らないですね」

 僕は言った。

「確か、最近南方で発見された野菜ですからね。この辺に植えると何故か赤くなったとか。最近のファーランドではどこでも作られ、食べられてますわ」

 そういうカンデさん。

 

 色々新しい物があるんだな、と思い、僕達はカンデさんのサロンとやらに入った。

 

 そこには、不思議な(と言うか変な)絵が飾られていた。そして不思議な楽器が不思議な音楽を流している。

 もちろんそれを実際に使って音を出している人も居る。みんな人間のようだ。

 

「おや、カンデ様。どうされましたか」

 そう聞く楽器を鳴らしてた人。見た事のない楽器だ。10本指で棒のようなものを押しているようだ。

「こちら、錬金術師のフェイ様ですわ。ぜひ皆様と会っていただきたいと思いまして」

 そういうカンデさん。

 

「ほほう、錬金術師殿ですか。ぜひとも私の音楽を聴いていただきたいですな」

 そういってその楽器を弾く音楽家の人。チャン、チャン、と独特の悲しげな音だ。しかし、気品はある気もする。

「興味深い楽器ですね。これは何と言うんです?」

 僕は聞いた。

「チェンバロですわ。最新の楽器ですわよ」

 そういうカンデさん。

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