43話 追加の救援
僕達が城内に入ると、歓声で迎えられた。
結構消耗している兵士が多かった。補給物資を渡すと、更に喜んでくれた。
「ありがてえ!」
「おお、米だ!」
「肉だ! やったぜ!」
滅茶苦茶喜ぶファーランド兵。
「皆喜んでおります。重ね重ね、ありがとうございます、フェイ殿」
そう言うレフさん。
「いやいや。当然の事をしたまでですよ」
僕は言った。
「しかし、かつてのコーネリアではこうはいかなかったでしょう。姫様やあなたには感謝するしかありませんな」
そう言うレフさん。そう言ってくれるのは有り難い。
「それじゃあ、そろそろ帰りましょうぜ、隊長」
そう言うシギス。
「ああ、それは少し待って下さらんか」
そういうレフさん。
「ん? 何か?」
僕は聞いた。
「いや、申し訳ないとは思うが、攻撃されているのはこの城だけではないのだ。本来なら、我々が救援すべきだが、見ての通り消耗していて動けん。どうか、助けに行ってはくれまいか」
そう言うレフさん。
「冗談じゃねえや。いくら何でもそんな余裕はありませんぜ」
そういうシギス。
「いや、このまま帰っても他の都市が落とされてしまっては意味がない。できるだけのことはしよう」
僕は言った。
「本気ですか? せめて、姫様の命令を聞いてからでも遅くないのでは」
シギスが言った。
「いや、遅いだろう。ここはファーランド領だ。僕達が行動を判断すべきだ」
僕は言った。
「……ふむ。まあ、隊長殿がそう言われるなら、私は従いますけどね」
シギスは渋々そう言った。
「そういうわけなので、お助けしますよ。とはいえ、すぐにとはいきませんよ。我々も消耗してますしね」
僕はそう言った。
「ありがたい。もちろん、今日明日城が陥落するわけではないから、ひとまずゆっくり休んでくれ。我々も最大限諸君らを助けよう」
レフさんはそう言った。