表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不遇の錬金術師  作者: 秀一
第一章 アルパ王国編
3/146

3話 ドワーフ


 僕達は魔法学園を卒業した。

 

 成績優秀な人は王国の騎士団とか、宮廷魔術師とかになれるんだろうけど、僕がそんなものになれるはずもなく。

 

 僕はその日のうちに、冒険者ギルドに登録した。

 

 そうして錬金術師として、パーティーに入れてくれる人がいないかと待ってたんだけど、待てども暮らせども誰も構ってはくれなかった。

 

「錬金術師はちょっと……」

「ぶっちゃけ要らない子だね」


 と言う感じで。

 やはり錬金術師は要らない子なんだろうか。

 

 そんな感じで一カ月が過ぎた。さすがに僕も諦めたほうが良いかと思い始めていた。

 

 そんな折、一人のドワーフがやってきた。

 髭もじゃのおっさん。傷が各所についた鎧を着て、いかにも熟練の冒険者と言った感じだ。ちなみにドワーフは背はちっちゃいけど、その力は折り紙付きで、パワーなら人間をはるかに上回る事が多い。

「おい小僧。来る日も来る日も何してやがる」

 そう言うドワーフ。

「こんにちは。僕は錬金術師で、どなたかパーティーに入れていただけないかと……」

 そう言う僕。

 

「馬鹿かテメエは。錬金術師なんぞパーティーに入れてもすぐ死ぬだろうが。第一迷惑だろ。邪魔じゃねえか」

 はっきり言うドワーフ。まあそうですよね。

 

「すいません。でも僕もその、お金欲しいし、生きていかないといけないので……」

 悲しそうに言う僕。

 

「まあいいわ。実は俺の斧がボロボロになっちまってな。直せるか?」

 そう言うドワーフ。斧を見せた。

 

 それは何とも立派な斧だった。柄は木製だが硬い。刃はミスリル。最高級品だ。だが、確かに相当傷んでいた。

 

「素晴らしい斧ですね。どなたが作られたので?」

 僕は聞いた。

「里のドワーフさ。ただあいつは出払っててな。それで? 直せるのか直せないのか、答えを聞こうか」

 そう言うドワーフ。ごまかしは駄目だろう。

 

「もちろん直せますよ。ただ、素材が無いと無理ですけど。この刃はミスリルですよね?」

 そう聞く僕。

「そうだな。まあ、ミスリルなら俺のねぐらにはいくらでもあるから、できるんなら使っていいぞ。料金は?」

 そう聞くドワーフ。

「……とりあえず、銀貨1枚頂けるなら……」

 僕は言った。

「安いな。んじゃ頼むわ」

 そう言ってドワーフは歩き始めた。

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ