2話 将来の夢
「それではこれで今日の授業も終わりでーす。またねー」
授業が終わり、先生も去った。みんなも帰っていく。
後に残ったのは、僕とソフィーちゃんだった。
「あの、ソフィーちゃん……。かばってくれてありがとう。でもあんなことしたら危ないよ」
僕はそう言った。
「何情けない事言ってるの! そんなんだから虐められるんだよ! あんなやつら叩きのめさないと!」
そういうソフィーちゃん。
しかしソフィーちゃんは小さい。小人族は人間よりもちょっと小さい。と言っても、一メートルぐらいはあるけど。でもソフィーちゃんは僕より背も小さいし胸もわりと小さいんだよね。短い茶髪と金色に輝く瞳がチャームポイントだ。
「僕には無理だよ。錬金術は戦うための術じゃないからね」
僕はそう言った。
「まったくフェイ君は……。まあ、そう言う優しいところが君の良い所なんだろうけど」
ソフィーちゃんはそう言ってくれた。
僕達は帰る方向が同じなので、何となく一緒に帰る感じになった。
「フェイ君は、魔法学園を卒業したらどうするの?」
ソフィーちゃんはそう聞いた。
「冒険者になりたいとは思ってるんだけどね……」
正直に言う僕。
「いや無理でしょ。モンスターに殺されると思うけど」
はっきり言うソフィーちゃん。
「だよね。いや、正直店でも出せれば良いかな、って思ってるけどね。でもそれには元手が居るし……。何とか危なくない採取依頼でもこなして、生き延びられたらいいんだけど……」
僕はそう言った。
「そんなんじゃ無理だと思うけどなあ。でもまあ、それだと私と同じだね」
そういうソフィーちゃん。
「ソフィーちゃんも冒険者に?」
僕は聞いた。
「もちろんだよ。私だって、武器を持てば戦えるしね!」
そういうソフィーちゃん。彼女もあんまり強くは無いけど、器用だし素早い。偵察役としては役に立つだろう。いいなあ……。
「それじゃあ、ここでお別れだね」
分岐点に立つ僕達。
「そうだね。ソフィーちゃん、僕もソフィーちゃんの役に立てると嬉しいんだけど」
僕は言った。
「期待しておくよ。じゃあね」
ソフィーちゃんはそう言って去って行った。