137話 姫様の帰還
ベルクランドとの和平が成立し、僕達はコーネリア東部を視察した。
そこは平和そのものだった。ドワーフたちは、特に無茶をしなかったようだ。ただ、抵抗した城塞群は破壊されていた。
コーネリア国東部、最大の街、ソラ。
ここは非常に豊かな街で、しかもドワーフも攻撃しなかった。この街にある城に、姫様は落ち着いた。
「ふう……。何とかまた、姫やれそうだね、私」
そう言う姫様。
「良かったです」
僕は言った。
「ふふ、でもできたら、フェイと一緒に行きたいけどね、私」
姫様はそう言っていた。
「それやったら、行けばええんやで」
そう言ったのは、リザードマンのドミニクだ。
「ドミニク! 無事だったのね」
姫様は叫んだ。
「ああ、泳いでここに避難してたんや。姫様も無事やったんやな」
ドミニクはそう言った。
「そうだったんですね。ミカエルさんは?」
僕はそう聞いた。
「残念やけど、あのおっちゃんは最後までドワーフと戦ってたで。強いというのも考え物やな」
そう言うドミニク。
「そうですか……。残念です」
姫様は言った。
姫様は決意して言った。
「フェイ、私はひとまず、東コーネリアを復興します。いずれ援軍を送りますから、アルパとの戦い、勝利してください」
姫様はそう言った。
「わかりました……。またお別れですね、僕達」
僕は言った。
「しばしのね。また絶対、会いに行くから」
姫様はそう言った。