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不遇の錬金術師  作者: 秀一
最終章 大戦編
134/146

134話 決戦


 ミカはトントン、と手を指で叩き、苛立っていた。

 

「偵察はまだ帰ってこないの!?」

 ミカはそう叫んだ。

 

「これだけ待っても帰ってこないということは、全員やられたのでしょう」

 ウルはそう言った。

「逆に言えば、あそこに敵が居るのは間違いありませんな」

 コンラートはそう言った。

 

「……このままファーランドに向かうのは流石に危険すぎるわね。高台を攻撃しましょうか」

 ミカは言った。

「当然ですな」

 コンラートは言った。

「敵も想定しているとは思いますが……」

 ウルは心配して言った。

「構わないわ。砲撃の準備を!」

 ミカは言った。

 

 ベルクランド軍は、高台に向かって前進した。

 

 と同時に、砲撃の準備を行った。爆石砲による射撃の破壊力は絶大。それによる敵の撃破。単純だが強力な戦法だ。

 

 ……そして。

 

「敵は見える?」

 そう聞くミカ。

「いえ、まだ……」

 

 端的に言えば、高さは重要だった。この時フェイたちは、既にベルクランド軍を捉えていた。

 ドーン! と爆発が起きる。

 

「何!?」

 叫ぶミカたち。ドワーフたちの大砲やゴーレムが、次々と破壊されていった。

 

「何事だ!?」

 大混乱に陥るドワーフたち。そこでドーン! ドーン! と更に爆発音が起こる。と同時に、ドワーフたちが次々と倒れた。

 

「な、何じゃ!? 何が起きている!?」

「敵の攻撃です! 警戒を!」

 ウルが何とか部隊を立て直そうとするが……。

 

「突撃! 突っ込めー!」

「「「ワアアアアアアアアアアア!」」」

 突如、武装したファーランド軍が槍を構え、大挙突撃してきた。

 

「くう!? お、応戦を!」

 ミカは命じた。

 

 ドワーフたちは接近戦に優れている。が、この時ばかりは有効に戦える状況では無かった。

 

 フェイの作戦は3つ。まず砲撃を加え、銃撃を加え、突撃を加えるというものだ。

 単純ではあるが、極めて有効な作戦だった。何しろドワーフたちはまさか敵に大砲や銃があるとは思っていない。完全な奇襲だった。

 

 しかもファーランド軍は多かった。ベルクランド軍も3000程は居たが、ファーランド軍は5000。武装も優れている。大混乱に陥っていたベルクランド軍は次々と討たれ、その数を減らしていった。

 

「こ、これは駄目だ! 撤退! 撤退!」

 ウルが何とか部隊をまとめ、退却する。

「く、待て! 逃げるな!」

 驚くミカだが、部隊の混乱を押しとどめることはできなかった。

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