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不遇の錬金術師  作者: 秀一
最終章 大戦編
132/146

132話 全軍出撃


 僕達はファーランドめがけて道を急いだ。

 

 しかしそう簡単にはファーランドに辿り着けなかった。重い大砲を引きずっているし、兵士たちも消耗している。

 

 ファーランドに辿り着いた頃には、すっかり夜が明け、朝になっていた。

 

「ふわあ……。ねむ……」

 そう言うドロテア。いずれにせよ眠い。兵士たちもみんなとてつもなく眠そうだ。

 

「総員城内へ……。眠らせてもらおう」

 僕は言った。

 

 別にいう必要もなく、兵士たちは城内に入るとすぐに部屋に入り、眠ったようだ。僕も眠らせてもらうしかない。僕たちはそれぞれの部屋に分けられ、眠った。

 

 

 そして起きた頃には、もう昼間になっていた。太陽が傾き始めている。

 

「お目覚めですかな、フェイ殿」

 そういうのは青いトカゲ、レフさんだ。

「レフさん、すいません。まだ少し眠いですが……」

 僕は言った。

「眠いのは重々承知。ただ、今は火急故、来てくだされ」

 レフさんはそう言った。

 

 僕は会議室へと向かった。そこは騒ぎになっていて、伝令たちが慌ただしくしている。

 

「敵は街道を前進しています!」

「高台の防衛を完了しました」

「森林地帯に伏兵を置きますか?」

 そんな事を言う兵士と司令官たち。

 

「既に決戦は近くなりつつありますぞ。フェイ殿」

 アドリアンさんがそう言った。

「ここの防衛をしとけば良いんじゃないの?」

 そういうドロテア。

 

「いや、それは論外です。敵は強力な大砲を持つ部隊。城壁はすぐに破壊され、敗北は必至でしょう」

 ユリアナはそう言った。

「もし高台を取られてしまえば、ファーランドは全域撃ち放題です。そうなれば、この国も終わりでしょうな……」

 レフさんは言った。

 

 その時、伝令が一人入ってきた。

「申し上げます! 敵がファーランド中央交差点に到達しました!」

 叫ぶ伝令。それを聞いて、僕も皆も驚いた。

 

 速い。文句なしに。

 

 ファーランド中央交差点は、ファーランドの西、南のカランから北のイリスへと続く道路の真ん中にある。もはやファーランドまではわずかしかない。

 

「全軍に出撃命令を!」

 僕は叫んだ。

「ぜ、全軍ですか?」

 驚くレフさん。

「全軍です!」

 僕はそう言った。

 


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